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ROM(ロム)

電源が切れても消えない石板のように、コンピューターが目覚めるときに最初に読む、変わらない案内書です。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-17 検証

定義

ROM(ロム)は、電源が切れても保存した内容が消えず、永続的に保たれる不揮発性メモリです。英語の「Read-Only Memory」の略で、もともとは「読み出し専用の記憶装置」という意味です。コンピューターの起動時に最初に実行されるべき、中核となる基本命令を納めておくために使われます。

消えない頑丈な石板

黒板にチョークで書いた文字は簡単に消せますが、石碑に刻まれた文字は風雨にさらされてもずっと残ります。コンピューターの記憶装置もこれに似ています。RAMが書いたり消したりする黒板なら、ROMは石板に深く刻んだ案内文のようなものです。

コンピューターやスマートフォンは、電源が切れるとRAMの中のデータがあっという間に消えてしまいます。電気が途絶えて空っぽになったコンピューターは、再び電源が入っても、最初に何をすればいいのかまったくわかりません。だれかが「さあ、電源を入れて部品を点検して!」と教えてくれる、最初の案内書が必要です。

そこで必要になるのがROMです。ROMは、電源の供給が完全に途絶えてもデータが消えない不揮発性の記憶装置です。いつ電源を入れても変わらずそこにあって、コンピューターを目覚めさせるスタートラインの役目を果たしてくれます。

コンピューターの第一歩となる起動の流れ

朝目覚めたとき、意識しなくても息をして心臓が動いているように、コンピューターにも、機械が生きて動くための本能的な基本プログラムが必要です。ハードウェアを制御するこの基本ソフトウェアを「ファームウェア」と呼びます。

コンピューター本体の電源ボタンを押すと、頭脳の役割をする中央処理装置(CPU)は、まず真っ先にROMへ駆けつけます。ROMに書かれた案内書にしたがって、メモリやグラフィックカードなどの部品がきちんと差し込まれているかを念入りに点検していきます。

この点検がすべて無事に終わると、ROMの案内にしたがって、ようやくWindowsやMacなどのOSを補助記憶装置からRAMに呼び出し、画面を表示します。もしROMがなければ、コンピューターは電源が入っても何も動作を始められず、空っぽの抜け殻のまま止まってしまいます。

もう少し正確に言うと:今のROMは書き換えもできる

もう少し正確に言うと、現代のROMは、名前のように完全な「読み出し専用」に縛られているわけではありません。初期のROMは、工場で半導体を製造するときに回路そのものを永久に固めてつくっていたため、ユーザーは一文字も書き換えられませんでした。

しかし技術が進歩して、電気信号で内容を消して書き直せる「EEPROM」と、そこから発展した「フラッシュメモリ」が登場しました。おかげで、マザーボードの基本プログラム(BIOSやUEFI)に問題が起きたり、新しい部品に対応する必要が出たりしたときも、機器を丸ごと買い替えずに、新しいファームウェアにアップデートできるようになりました。

必要に応じて新しい内容を上書きできるようになったとはいえ、コンピューターが動作している最中は、今でも内容をむやみに消したり変えたりできないよう、安全に守られています。だから今でもROMという名前で呼ばれているのです。

よくある誤解

誤解

ROMは「読み出し専用」だから、どんな方法でも絶対に内容を変えられない。

事実

初期のROMは書き換えができませんでしたが、現代のROM(EEPROMやフラッシュROM)は、マザーボードのBIOSアップデートのように、電気信号によって内容を更新できます。

誤解

スマートフォンを買うときに書かれている「ROM 256GB」は、起動用ROMチップの大きさだ。

事実

スマートフォンのスペックで使われるROMは、不揮発性の保存領域(内蔵フラッシュメモリ)を慣習的にそう呼んでいるだけで、コンピューターのマザーボードにある起動用ROMチップとは、用途も容量も違います。

日常で出会う場面

  1. コンピューターの電源を入れたとき、マザーボードメーカーのロゴが表示されて部品を点検するBIOSチップ

  2. 電子レンジや洗濯機の内部で、基本操作ボタンの入力を処理している基板上の制御チップ

つまり ひとことで

ROMは電源が切れても消えない記憶装置で、コンピューターの起動に必要な、いちばん基本的な命令を保管しています。

作成 2025-02-06 更新 2026-10-17 検証 2026-10-17