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DDoS攻撃

人気ラーメン店の入口に、何千人ものニセのお客さんが押しかけて入口をふさいでしまい、本物のお客さんがまったく入れなくなってしまう、そんな迷惑行為のようなものです。

  • 約4分
  • 図 1点
  • 2026-10-13 検証

定義

DDoS(分散型サービス拒否)攻撃とは、たくさんのコンピューターを同時に使って、特定のウェブサイトやサーバーに処理しきれないほどの大量のアクセスを送りつけるサイバー攻撃です。サーバーの処理能力の限界を一瞬で超えさせ、ふつうの利用者がサービスをまったく使えない状態に追い込むのが狙いです。

たった1人で、どうやって大量のコンピューターを操るの?

ハッカー1人で何万台ものパソコンのキーボードを1台ずつ叩くのは不可能です。そこでよく使われるのが、セキュリティの甘い一般の人のパソコンやスマホ、さらにはWi-FiルーターやスマートテレビなどのIoT機器にこっそりマルウェア(悪意あるプログラム)を仕込む方法です。

こうしてハッカーの遠隔命令に従うよう感染させられた機器を「ゾンビPC」と呼び、それらが蜘蛛の巣のようにつながった巨大なネットワークを「ボットネット(Botnet)」と呼びます。機器の持ち主は、自分のパソコンが感染して犯罪に使われているとは夢にも思わず、いつも通りインターネットを使っています。

ハッカーが遠隔操作用のサーバーから攻撃の指令を出すと、世界中に散らばった数十万台のゾンビ機器が特定のサーバーに向けて一斉に信号を送り始めます。1人の指揮のもと、大勢のニセのお客さんが特定のお店の入口へいっせいに突進するようなものです。

最近は、スマート電球やホームカメラなど、セキュリティ管理が甘い機器が増えたことで、ボットネットの規模は昔よりずっと大きくなりました。そのため、わずか数分で大手ポータルサイトさえ揺るがすほどの破壊力を持つようになっています。

データを盗むのではなく、道をふさぐ攻撃です

多くの人がDDoSを、個人情報や口座の暗証番号をこっそり盗み出す泥棒型のハッキングだと考えがちです。しかしDDoSの本当の目的は盗むことではなく、道路を麻痺させる「人為的な交通渋滞を起こすこと」にずっと近いものです。

どのウェブサーバーにも、同時に処理できる通信帯域(データが通る道路の幅)やコンピューターの演算能力に物理的な限界があります。受け入れられる量をはるかに超えるニセのリクエストが押し寄せると、サーバーは過負荷で完全にフリーズしてしまいます。

サーバーシステムが麻痺した結果、ふつうの利用者のアクセスまで完全に遮断されます。ネットショップの決済ができなくなったり、大手ポータルサイトの画面がまったく表示されなくなったりといった深刻な被害が出るのは、このためです。

ハッカーは情報を直接盗まなくても、企業の通常営業を長時間止めて莫大な金銭的損害を与えたり、それをネタに金銭を要求する脅迫の手段としてDDoSを悪用したりすることがよくあります。

もう少し正確に言うと:防ぎにくい理由と防御技術

攻撃元が1台だけの単純なDoS(サービス拒否)攻撃なら、攻撃してくるIPアドレスを特定して遮断することで、比較的簡単に防げます。ただし、送信元のアドレスを偽装する攻撃もあります。一方DDoSは、名前に「分散(Distributed)」とあるとおり、世界中の何万もの異なるアドレスから同時に押し寄せてきます。

特にウェブページへのアクセスを装った攻撃は、1つ1つの信号が、一般の利用者がボタンを押したときの正常なリクエストとほとんど見分けがつきません。正常なサーバーをだまして大量の応答を被害サーバーに向けて跳ね返させる「増幅攻撃」もあります。そのため、どれが本物のお客さんでどれが攻撃の信号なのかを見極めて悪意あるトラフィックだけを選んで遮断することは、非常に難しいのです。

これを防ぐために、大規模なサービスは世界各地にトラフィックを分散して配置する「コンテンツ配信ネットワーク(CDN)」を活用しています。1本の大きな道路の代わりに、たくさんの迂回路を作って、押し寄せる負荷を広く散らす仕組みです。

さらに、ニセのリクエストをフィルターのようにリアルタイムで取り除く専門の浄化センター(スクラビングセンター)や高性能なファイアウォールを置き、本物の利用者の通信だけがサーバーに届くように守っています。

よくある誤解

誤解

DDoS攻撃を受けると、自分のパソコンの中のパスワードや金融情報がハッカーに盗まれる。

事実

DDoS攻撃は情報を盗む技術ではなく、システムに過負荷をかけてサービスを麻痺させる攻撃です。ただし、セキュリティ担当者の注意をそらすために、本当のハッキングの前に煙幕としてDDoSを仕掛けるケースはあります。

日常で出会う場面

  1. 大手ネットショップのセール当日に、ハッカーがニセのトラフィックを大量に送りつけて決済システムを麻痺させるケース

  2. オンラインゲームの発売日に、サーバーへ意味のない接続信号を大量に送って、一般のプレイヤーが接続できず弾き出されてしまうケース

つまり ひとことで

DDoSは、感染させた大量のゾンビ機器を動員してニセのアクセスを送りつけ、サーバーを麻痺させるサイバー攻撃です。

作成 2025-01-24 更新 2026-10-13 検証 2026-10-13