定義
イントラネットとは、特定の組織や企業のメンバーだけがアクセスして利用できるように制限された、内部専用のネットワーク(社内網)です。インターネットと同じ通信技術を使いながらも、許可されていない部外者のアクセスを遮断することで、内部の情報や機密文書を安全に守り、共有できるようにしています。
巨大な広場と、自分たちだけの部室
誰でも自由に行き交うインターネットが「広大な駅前広場」だとすれば、イントラネットは許可された人だけが暗証番号を押して入る自分たちだけの部室のような空間です。
一般的なインターネットの世界では、世界中の何十億台ものパソコンやスマートフォンがクモの巣のように網の目でつながり、情報をやり取りしています。しかし、企業や行政機関、学校などの組織には、外部の人には決して見せてはいけない重要な機密文書や個人情報がたくさんあります。
もしこうした秘密のデータを誰でもアクセスできる公開ウェブサイトに置いておけば、危険なサイバー攻撃に簡単にさらされてしまいます。そのため、外部から勝手に入ってこられないよう出入口を厳重に管理し、組織の内部メンバーだけで安全にデータをやり取りできるように作られたのがイントラネットなのです。
技術はインターネットと同じ、でも扉は閉ざされている
もう少し正確に言うと、イントラネットはインターネットとまったく異なる特殊な未知の技術で作られているわけではありません。私たちが普段使っているWebブラウザやメールシステムとまったく同じ標準的な通信技術をベースに動いています。
見た目や操作方法は一般的なポータルサイトとほとんど同じですが、ネットワークの入口に「ファイアウォール」という強力なデジタルの警備員を配置し、アカウント認証で出入者を厳しく確認する点が異なります。社内のパソコンや登録された専用回線を使わない部外者は、たとえアドレスを知っていたとしてもページにアクセスすらできません。
テレワークや出張が多い昨今では、自宅など社外から会社のシステムを使う機会も増えています。そうした場面では、VPN(仮想専用線)という暗号化された秘密の通路技術を活用し、通常のインターネット経由であっても、許可された社員だけが安全にイントラネットへ接続できるように工夫されています。
なぜ普通のインターネットではなくイントラネットを使うのか?
企業がイントラネットを導入する最大の理由は、徹底したセキュリティと高い業務効率化にあります。新製品の開発設計図や社員の給与明細のような機密性の高い情報を、強固なセキュリティの柵の中で安全に管理できます。
さらに、社内の業務を格段にスムーズかつ便利にしてくれます。社内連絡やお知らせの確認から、電子決裁、勤怠管理、有給休暇の申請、社内チャットツールによるコミュニケーションまで、日々の業務の大半をイントラネットのポータル画面ひとつで完結できます。
つまりイントラネットは、外部のサイバー脅威から組織の貴重な資産をしっかり守りつつ、内部のメンバーには最も効率よく快適にコラボレーションできる専用の仕事環境を提供してくれる仕組みなのです。
よくある誤解
イントラネットは、一般的なインターネットとはまったく異なる専用のプログラミング言語で作られている。
Webブラウザ(HTTP/HTTPS)やメールなど、通常のインターネットと同じ技術標準を使っています。違いは、ファイアウォールや認証システムによってアクセスを内部の人間に限定しているプライベートなネットワークである点だけです。
会社の外からは、どんな方法を使ってもイントラネットにアクセスできない。
基本的には外部からのアクセスが遮断されていますが、VPN(仮想専用線)や多要素認証などのセキュリティ手段を通せば、自宅や出張先からでも安全にイントラネットを利用できます。
日常で出会う場面
社員が出社して有給休暇を申請したり、稟議・決裁を上げたりする社内ポータルサイト
教職員が学内ネットワークやVPN経由でのみアクセスして事務処理を行う大学の教務システム
機密性の高い防衛・軍事作戦情報を扱うため、外部のインターネットから完全に切り離された軍用専用ネットワーク
つまり ひとことで
イントラネットは、インターネット技術をベースにしながらも、許可された内部関係者だけがアクセスできるようにセキュリティの囲いを設けた組織専用のネットワークです。