定義
LANは、家や学校のように近い場所にある機器をまとめた小さなネットワークで、WANは、都市や国のように遠く離れたLAN同士を一つにつないだ広域ネットワークです。私たちが毎日スマートフォンやパソコンでつないでいるインターネットは、世界中の数えきれないLANが巨大なWANとして細かく編み込まれた、大きな通信の仕組みなのです。
わが家の垣根の中のネットワーク、LAN
部屋の中からスマートフォンで、リビングにあるワイヤレスプリンターに書類を送ったことはありませんか。このように、家・オフィス・学校といった物理的に狭く限られた空間の中で機器同士がつながっているネットワークを、LAN(Local Area Network、構内ネットワーク)と呼びます。
LANの中では、電波やケーブルが届く距離がとても短いです。信号が遠くまで行く必要がないので、データの転送速度が非常に速く、途中で途切れることもほとんどありません。Wi-Fiルーターやスイッチのような機器が中心になって、まわりのパソコン、スマートフォン、テレビをしっかり一つにまとめています。
この垣根の中なら、通信会社に高いデータ料金を払わなくても、機器どうしで高画質の写真や容量の大きい動画をあっという間にやりとりできます。家族や社内の人だけが入れる速いプライベートネットワークをつくっているようなものです。ただし、カフェのWi-Fiのように見知らぬ人と一緒に使うLANもあるので、LANだから自然に安全というわけではありません。
カフェでノートパソコンとスマートフォンを同じWi-Fiにつないでファイルをやりとりしたり、家のスマート照明をスマホでつけたり消したりするのも、すべてLANのおかげでできる、ごく身近な光景です。
大陸と海をまたぐ巨大な網、WAN
ところが、家の中のLANだけでは、海の向こうのアメリカにあるサーバーの動画は見られません。LANは決まった垣根の中だけで通信できるもので、外の世界とは直接つながっていないからです。
このように、互いに遠く離れた都市・国・大陸のLAN同士を一つに結びつける巨大な通信網を、WAN(Wide Area Network、広域ネットワーク)といいます。東京の本社と大阪の支社をつないだり、世界中のユーザーを一つにまとめたりする役目を果たします。
WANは、つなぐ距離が都市と都市の間から大陸と大陸の間まで、数十キロメートルから1万キロメートルを超えるほどにもなるため、個人が自分で電線やケーブルを敷くことはできません。そこで、通信会社が地中深くや海の底に設置した大規模な光ファイバーケーブル網を借りて、データを送ります。
私たちがふだん言うウェブサーフィン、オンラインゲーム、グローバルな動画配信サービスは、すべて地球上で最も巨大なWANであるインターネットを通じて行われているのです。
もう少し正確にいうと:二つの世界をつなぐ門番
では、細い路地のようなわが家のLANは、広い高速道路のようなWANと、どうやって自由にデータをやりとりしているのでしょうか。そのカギは、Wi-Fiルーターの中に入っているルーター(Router)というネットワーク機器にあります。
ルーターは、家の中のたくさんの電子機器に内部のアドレスを割り振り、外へ出ていくデータの最も速い道を見つけてくれる、交通整理の係を務めます。スマートフォンが外のウェブサイトを開いてほしいと要求すると、ルーターがLANの扉を大きく開けて、WANの広い道路へ信号を送り出してくれます。
距離を基準に分けたこの二つのネットワークは、互いに補い合う関係です。家や会社の機器がLANという小さな集まりをつくり、ルーターを通してWANという世界規模の大きな広場へ出ていく仕組みです。
つまり、私たちがインターネットを使うとき、データはLANという出発地を離れ、WANというグローバルな高速道路を往復して、目的地の情報を安全に届けてもらっているのです。
よくある誤解
Wi-Fiをオンにするだけで、すぐにインターネット(WAN)につながる。
Wi-Fiは、家の中の機器をルーターに無線でつなぐLANの技術にすぎません。ルーターが通信会社の外部ネットワーク(WAN)とつながっていて、はじめてインターネットを使えます。
日常で出会う場面
スマートフォンの画面をリビングのスマートテレビにワイヤレスでミラーリングするのは、LAN通信です。
日本の自宅から、アメリカのサーバーにアップされたウェブ漫画をダウンロードするのは、WAN通信です。
つまり ひとことで
LANは近くの機器をまとめる狭いネットワークで、WANは数多くのLANを一つにつないだ巨大な広域ネットワークです。