定義
キーロガーは、キーボードで押したすべての文字や数字をこっそり記録して、他人に流してしまう監視プログラムや物理的な装置です。ID、パスワード、チャットの内容など、キーボードで入力する大事な個人情報が、そのまま漏れてしまうことがあります。
キーボードの裏に隠れて、タイピングをのぞき見るスパイ
キーボードで文字を打つと、あっという間にモニターの画面に文字が現れます。キーを押した瞬間に電気信号がコンピューターの中へ伝わり、オペレーティングシステムがそれを読み取って、ふさわしい文字として表示してくれるからです。
キーロガーは、まさにこの信号が通る道の途中にこっそり入り込みます。ネットバンキングのパスワードや、友だちとのメッセージを入力するたびに、キーボードからコンピューターへ向かう信号を途中でそっくりコピーして、ひそかにファイルに残していくのです。
画面ではパスワードが黒い丸(••••)やアスタリスク(**)で隠れていても、何の意味もありません。キーロガーが横取りするのは、画面に出ている見た目ではなく、指が押した物理的なキーの信号**だからです。そのため、本当のアルファベットや数字がそのまま知られてしまいます。
もう少し正確にいうと:プログラムだけでなく、物理的な装置もあります
もう少し正確にいうと、キーロガーはインターネットからこっそりダウンロードされる悪意のあるソフトウェアの形だけではありません。キーボードのケーブルとパソコン本体のあいだに直接さしこむ、指の一節ほどの大きさの小さなハードウェア装置の形もあります。
ソフトウェア型のキーロガーは、偽のメールや怪しいダウンロードサイトを通じて、オペレーティングシステムの奥深くに入り込みます。いっぽう、ハードウェア型のキーロガーは、誰かが共用パソコンやオフィスのPC本体の背面にこっそりさしておき、あとで回収していくやり方で情報を盗みます。
ハードウェア型は、パソコンのセキュリティソフトの監視にほとんど引っかからないという特徴があります。パソコン内部のコードではなく、電子部品のレベルで信号を盗むので、セキュリティ検査をどれだけ念入りに行っても、システム上は普通のキーボードとして認識されるのです。
キーロガーの脅威からアカウントを守る方法
キーロガーのいちばん怖いところは、ふつうのウェブサイトの暗号化技術を無力にしてしまうことです。通信の途中をどれだけ強力に暗号化しても、データをインターネットに送る前、自分のパソコンで入力するその瞬間に、すでに情報が漏れてしまうからです。
さいわい、キーロガーの脅威を減らす方法があります。金融サイトでパスワードをマウスでクリックして入力する仮想キーボードは、物理的なキー入力を生まないので、キー入力を記録するだけのキーロガーは避けられます。ただし、クリックした瞬間に画面を撮影したり、送信直前の入力値を横取りしたりする方式には効かないので、感染したパソコンでは完全な盾にはなりません。
また、IDとパスワードが漏れても、自分のスマートフォンで承認番号をもう一度確認しなければならない二段階認証をオンにしておくと、ぐっと安全になります。最近広く使われている、指紋認証やハードウェアセキュリティキーにもとづくパスキーの技術も、キーロガーの脅威を防いでくれる頼もしい盾になります。
よくある誤解
パスワードを入力するとき、画面にアスタリスク(****)で隠れていれば、キーロガーでもパスワードはわからない。
画面の表示は目くらましにすぎません。キーロガーが見ているのはモニターの画面ではなく、指がキーボードのどのキーを押したかという信号そのものなので、もとのパスワードを完全に知ってしまいます。
日常で出会う場面
ネットカフェや公共図書館のパソコンに悪意のあるキーロガーが仕込まれていて、ログインしたゲームやポータルサイトのアカウントが盗まれる場合です。
怪しいメールの添付ファイルを開いてしまい、バックグラウンドでキーロガーのプログラムがこっそりインストールされる場合です。
つまり ひとことで
キーロガーは、キーボードで入力するすべての文字の信号を横取りする盗聴装置で、感染していない機器を使うことや、二段階認証・パスキーで備えることができます。