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グローバルIPとプライベートIP

マンション全体の住所と、各部屋の部屋番号のような関係です。インターネット上の「代表住所」と、家の中だけで使う「部屋番号」ですね。

  • 約4分
  • 図 2点
  • 2026-10-13 検証

定義

インターネットという巨大な街で、自宅や会社を見つけてもらうための代表住所がグローバルIP(パブリックIP)だとすれば、建物の中で家族が部屋を区別するための部屋番号がプライベートIPです。世界中で重ならない本物のインターネット住所と、ルーターの中だけで使う内部アドレスに分かれています。

マンションの住所と部屋番号の違い

宅配便を頼むとき、マンションの住所だけを書いても、配達員さんは玄関のドアの前まで来られません。逆に住所を書かず「101号室」とだけ書いたら、東京なのか大阪なのか分かりませんよね。

コンピューターの世界もまったく同じです。世界中のコンピューターがお互いに通信するには、世界でたった一つしかない固有の住所が必要で、これをグローバルIP(Public IP)と呼びます。通信事業者(プロバイダー)が自宅に引いてくれるインターネット回線が、このグローバルIPを受け取ります。

でも、家やオフィスにあるノートパソコン、スマートフォン、タブレット、スマートテレビの一台一台に本物の住所を割り当てていたら、インターネットの住所はすぐに足りなくなってしまいます。そこで、ルーターという門番を置いて、内側の機器どうしでは、よく192.168で始まるプライベートIP(Private IP)を分け合って使っているのです。10や172.16~172.31で始まるプライベートIPもあります。

ルーターが間に入って住所を書き換えてくれます

スマートフォンでYouTubeの動画をタップすると、スマートフォンは自分のプライベートIPを付けてルーターにリクエストを送ります。ルーターはそれを受け取ると、スマートフォンのプライベートアドレスを消して、自分のグローバルIPに着替えさせてからインターネットへ送り出します。

YouTubeのサーバーから見えるのは、自宅のスマートフォンではなく、ルーターという建物の代表住所だけです。動画を送り返すときも、自宅ルーターのグローバルIP宛てに届けます。IPアドレスだけを見ても、家に機器が何台あるかは分かりません。

データが届くと、ルーターは自分がつけておいた台帳を見て、「ああ、これはさっきリビングのスマホが頼んだものだな」と、元のプライベートIPに正確に届けてくれます。この賢いアドレス変換の技術をネットワークアドレス変換(NAT)と呼びます。

もう少し正確にいうと

もう少し正確にいうと、プライベートIPを使うコンピューターは、外から先に訪ねてくることができない一方通行のバリアの中にいます。自分から外へリクエストして結果を受け取るのは自由ですが、外にいる友達がこちらのコンピューターに直接つなごうとしても、ルーターの入口で止められてしまいます。

外のインターネットからは、家の中のプライベートIPという部屋番号を直接たどる方法がないからです。そのため、自宅のコンピューターでゲームサーバーを立てたり、個人用のWebサーバーを作ったりするには、ルーターに外からのリクエストを特定のコンピューターにつなぐ通り道を設定する必要があります。

この通り道を開ける技術がポートフォワーディング(Port Forwarding)です。つまりプライベートIPの仕組みは、足りないIPアドレスを節約する経済的な方法であり、外から先に入ってくる接続を防ぐ副次的な保護効果もあります。ただしNATはセキュリティのために作られた仕組みではないので、ファイアウォールの代わりにはなりません。

よくある誤解

誤解

自宅のWi-Fiにつながっているすべての機器が、それぞれ別のグローバルIPを持っている。

事実

IPv4の場合、同じルーターにつながっているスマートフォン、ノートパソコン、テレビは、たった一つのグローバルIPを共有しています。アドレスに余裕のあるIPv6では、機器ごとに外向きのアドレスが割り当てられることもあります。機器ごとに違う番号は、ルーターの中だけで使うプライベートIPです。

日常で出会う場面

  1. 自宅のルーターの管理画面でよく見かける「192.168.0.1」は、ルーター自身のプライベートIPアドレスです。

  2. 自宅のWi-Fiにつないだ状態で「IPアドレス 確認」と検索すると、スマホのプライベートIPではなく、外のインターネットから見えるグローバルIP(たいてい自宅ルーターのアドレス)が表示されます。モバイルデータ通信で検索すると、携帯キャリアが割り当てたアドレスが表示されます。

つまり ひとことで

グローバルIPはインターネット上でただ一つの代表住所で、プライベートIPはルーターの中で機器を区別するための内部の部屋番号です。

作成 2025-10-12 更新 2026-10-13 検証 2026-10-13