科学

オーロラのしくみ

太陽から届いたエネルギーが地球の空気を巨大なネオンサインのように光らせて広げる、光のカーテンです。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-16 検証

定義

太陽から吹き出した電気を帯びた粒が、地球の磁場に沿って南北の極地方へ引き寄せられ、地球の大気中の空気の粒とはげしく衝突して美しい光を放つ自然現象です。宇宙から飛んできたエネルギーと、地球を守るバリアが出会い、夜空に繰り広げる巨大な光のショーです。

夜空にともった巨大なネオンサイン

ネオンサインに電気が流れると、速く動く電子がガラス管の中の気体を刺激して、その気体ならではの色で光ります。夜空を明るく照らすオーロラも、これとよく似たしくみで光っています。

太陽はじっと光を出しているだけではなく、ものすごい量の電気を帯びた粒を宇宙の四方八方へ吹き出しています。これを「太陽風」と呼びます。この粒は、弾丸より何百倍も速いスピードで、休みなく地球へ向かって飛んできます。

速く飛んできた太陽の粒が、地球を包む空気にはげしくぶつかると、空気の粒はエネルギーをもらって興奮した状態になります。そのあと、空気の粒がもとの落ち着いた状態にもどるとき、ためこんでいたエネルギーを光として放ちます。この数えきれないほどの小さな光が重なり合って、空に巨大な光のカーテンを作り出しているのです。

どうして極地方でしか見られないの?

太陽風は、地球全体に向かってまんべんなく降りそそいでいます。それなのに、どうして赤道や中緯度ではなく、北極や南極の近くでしかオーロラを見られないのでしょうか。

カギは、地球そのものが大きな磁石だということです。地球は目に見えない巨大な「磁場のバリア」を身にまとっていて、宇宙から飛んでくる危険な粒をはね返しています。このバリアのおかげで、生き物は安全に暮らせるのです。

地球に突進してきた太陽の粒は、磁場にはばまれてそのまま地面に落ちることができず、磁石の両端である北極と南極へすべり落ちていきます。磁石のまわりに砂鉄をまくと、両側の極にぎっしりと列を作って集まるのと同じです。こうして極地方の上空に集中した粒が大気圏へ降りそそぎ、空気とはげしくぶつかるため、おもに極地方をとりまく輪の形をした地域でオーロラが生まれます。もっと正確にいうと、太陽風が直接降りそそぐというより、太陽風のエネルギーを受けて地球の磁場の中にたまっていた電子が加速されて降りてきて、光を生み出します。

もう少し正確にいうと

オーロラの緑や赤、紫といったさまざまな色は、太陽の粒が「どのくらいの高さで、どの気体」と衝突したかによって決まります。

地上およそ100〜200キロメートルの高さでは酸素原子とぶつかり、写真でよく見かける神秘的な緑色の光を作り出します。さらに高い200キロメートル以上のうすい上空では酸素が赤い光を放ち、100キロメートルより下の低い高度では窒素分子とぶつかって、あざやかなピンクや紫の光を作ります。

黒点の近くでコロナ質量放出のような爆発が起きて太陽の活動が激しくなると、ふだんよりずっと多くの粒が一度に押し寄せてきます。そんなときは、オーロラが極地方を越えて、ずっと南(北)の中緯度地域の夜空でも観測されることがあります。ほかの惑星の木星や土星にも磁場と大気があるので、オーロラが発生します。

よくある誤解

誤解

オーロラは、北極や南極の氷や雪に月の光が反射してできる光である。

事実

氷に反射した光ではありません。宇宙から来た電気を帯びた粒が大気中の空気の分子と直接ぶつかり、エネルギーを光として放つ、自ら発光する現象です。

誤解

オーロラは地球だけで起こる特別な現象である。

事実

磁場と大気をもつ惑星なら、どこでも生まれます。実際に、木星や土星でも、ハッブル宇宙望遠鏡によって巨大なオーロラが観測されています。

日常で出会う場面

  1. 黒点の近くで大きな爆発が起きて太陽風が強まると、極地方でふだんよりずっと明るく巨大なオーロラの嵐が吹き荒れます。

  2. 木星や土星の極地方の上空でも、地球よりずっと強力なオーロラが発生し、宇宙望遠鏡にとらえられています。

つまり ひとことで

太陽から飛んできた電気を帯びた粒が、地球の磁場に沿って南北の極地方へ移動し、大気中の空気と衝突して光を放つ現象です。

作成 2025-03-08 更新 2026-10-16 検証 2026-10-16