定義
ビットマップとは、画面を碁盤の目のように細かく区切った四角いマス(ピクセル)ひとつひとつに色の情報を入れていき、画像全体を完成させるデジタルグラフィックの方式です。点が集まって、1枚のまとまった写真やイラストになります。
モザイクタイルで絵を描く方法
子どものころに紙を細かくちぎって貼ったモザイク画や、クロスステッチの図案を思い出してみてください。四角いマスに決まった色の紙や糸をひとつずつ埋めていくと、離れて見たときに素敵な風景や顔が浮かび上がります。
コンピューターも、これとまったく同じ原理で画像を扱っています。画面をごく小さな四角いマスに分けて、マスごとに正確な色のデータを番号札のように記録しているのです。こうして色の情報を持つ最も小さな四角の単位をピクセル(画素)と呼びます。
スマホのカメラで撮る日常の写真や、ネットでダウンロードする壁紙(JPG、PNG)などは、すべてこの方式でできています。何百万個もの点が集まって自然な明暗や色合いを作り出すため、リアルな写真を表現するのにいちばん向いています。
拡大するとなぜ四角が見えるの?
ビットマップ画像は、本来のサイズで見るぶんにはとてもなめらかできれいに見えます。ところが、写真の中の小さな文字や瞳を見ようと画面を大きく拡大すると、輪郭が階段のようにギザギザになり、四角いブロックが見えてきます。
よく「画像が荒れた」と言いますが、これは大きさの決まったピクセルがそのまま一緒に大きくなるために起こる現象です。ビットマップは作られたときに決まった数の点しか持っていないので、いくら拡大してももともとなかった新しいディテールを生み出すことはできません。
一方、数式で線や面を描くベクター(Vector)方式は、どれだけ拡大してもくっきりしたままです。そのかわりベクターは、ビットマップのように微妙で豊かな色の変化を、写真のように自然に表現するのは苦手です。
もう少し正確に言うと:解像度とファイルサイズ
ビットマップの品質を左右する決め手は、縦横の格子にどれだけ多くの点が入っているかです。画像を構成する縦・横のピクセル数を解像度(Resolution)と呼び、1920×1080(フルHD)や3840×2160(4K)のように表記します。
同じ大きさで表示するなら、解像度が高いほどより細かく小さな点で描くことになるので、写真はずっとくっきり鮮明に見えます。ただし、点ひとつひとつに赤・緑・青(RGB)の明るさの情報を保存する必要があるため、圧縮しない状態では、点が増えるほどコンピューターが保管するデータ量も比例して大きくなります。
そのため、高画質のビットマップ画像はファイルサイズがとても重くなることがあります。この問題を解決するために、元の状態をそのまま復元できる可逆圧縮(PNGなど)と、目で見分けにくい色の違いを減らしてサイズを大きく下げる非可逆圧縮(JPGなど)といった画像圧縮技術が、あわせて発展してきました。
よくある誤解
ビットマップ画像は画質の悪い古い方式で、ベクターのほうが常に優れた技術だ。
ビットマップとベクターは優劣の関係ではなく、使いどころが違う方式です。実際のカメラ写真のように、複雑な明暗や何千万もの色をリアルに表現するのは、ビットマップがいちばん得意です。
日常で出会う場面
スマホのカメラで撮った旅行先の風景JPG写真
Photoshopで細かくレタッチする高解像度のプロフィール写真
Webサイトのデザインでよく使われる、背景が透明なPNGアイコン
つまり ひとことで
ビットマップは、色を持った四角い点(ピクセル)をモザイクのように集めて、リアルな画像を表現する方式です。