一般常識

地籍図

土地ごとに名札と境界線を描き込んで作られた、土地の公式な「身分証明書マップ」です。

  • 約4分
  • 図 2点
  • 2026-10-12 検証

定義

韓国において地籍図とは、国が全国の土地を一筆(区画)単位で測量し、境界や形状、地番(土地の番号)、地目(土地の用途)を公式に登録した公的な地図のことです(森林や山林は別途「林野図」に登録されます)。 私たちが住民票で個人の身元を確認するように、地籍図は土地ひとつひとつの公式な法的境界線を証明してくれる基本文書です。

ナビの地図とは何が違うの?

スマートフォンで見る地図アプリやカーナビの地図は、目的地へ行くための案内役です。建物の外観や道路の位置がわかりやすく描かれていますが、土地の所有者がどこからどこまでを所有しているかという「法的な境界」までは見せてくれません。

一方で地籍図は、国中の土地を巨大なパズルのように細かく切り分けた図面です。このように切り分けられた土地の1単位を「筆(ひつ)」と呼びます。それぞれの筆には固有の番号である「地番」が割り振られ、畑なのか宅地なのかを示す「地目」が定められています。

自分の土地と隣の土地の間にブロック塀が立っていたとしても、法的な基準となるのは原則として目の前の塀ではなく、地籍図に引かれた境界線です。ただし、過去の測量ミスや長年の占有(取得時効)といった例外もあり得るため、紛争時には測量や法律の専門家への相談が必要です。現実の風景を撮影した写真ではなく、法律上の境界を公式に登録した設計図のようなものと言えます。昔に作成された図面も多く、実際の土地とズレが生じている場所もあるため、正確な境界は専門の測量を行って確認します。

もう少し詳しく:登記簿と地籍図の違い

不動産を調べるとき、「登記簿謄本(全部事項証明書)」と「地籍図」をセットで確認するように言われることがよくあります。この2つの書類は、土地に対する役割分担が明確に分かれています。登記簿謄本は、「この土地の持ち主は誰で、抵当権(韓国では根抵当権)などの権利が設定されているか」といった権利関係を主に証明します(根抵当権は実際の残債ではなく債権最高額で記載されます)。

これに対して地籍図を含む地籍公簿は、「土地がどこにあり、どのような形状・用途・面積なのか」という土地の物理的表示を主に扱う帳簿です。土地の位置・地目・面積といった土地の表示は地籍公簿が基準となり、所有権などの権利関係は登記簿が基準となります。そのため、もし2つの書類で面積の記載が食い違っている場合は地籍公簿が優先され、登記簿側をそれに合わせて修正します。

地籍図には縮尺も正確に表示されています。500分の1や1200分の1といった決まった比率で土地を縮小して描くため、縮尺を利用すれば実際のおおよその大きさを割り出せます。なお、正確な境界や面積は韓国国土情報公社(LX)などによる境界復元測量で確認します。

家を買ったり土地を見たりするとき、なぜ真っ先に確認するの?

郊外に家を建てたり地方の土地を買ったりするとき、地籍図を見ないと大きな損害を被るリスクがあります。その代表例が「袋地(無道路地・韓国では盲地/メンジ)」です。袋地とは、公道にまったく接しておらず周囲を囲まれた土地のことで、現地に一見問題のない土道があっても、地籍図上で他人の土地であれば原則として自由に使えず、別途通行権を確保しなければなりません。

また、何十年も我が家の前庭として使っていたスペースが、地籍図を見たら実は隣の家の土地だった、というケースもあります。庭木やフェンスは人が勝手に動かして設置できますが、国の行政システムに登録された地籍図の境界線を勝手に変えることはできません。

そのため、不動産を契約する前は現地の様子だけを鵜呑みにせず、政府の電子申請ポータルなどの閲覧サービスを利用して地籍図を取り寄せ、実際の土地の形状と図面が一致しているかを照合することが安全です。

よくある誤解

誤解

地籍図に示された境界線と、現地に立っているフェンスの位置は常に一致している。

事実

フェンスなどの塀は、人が誤ってずれた位置に建ててしまった可能性があります。法的な土地の境界線は、原則として現場の塀ではなく国が公認した地籍図の境界をもとに判断されます。ただし、測量の誤差や長年の占有(取得時効)などの例外が存在することもあります。

日常で出会う場面

  1. 家を建てる前に地籍図で自分の土地が道路に接しているかをまず確認し、実際に建築できるかどうかは建築基準法等の道路要件を自治体(市・郡・区庁)に確認する。

  2. 隣人と境界フェンスの位置をめぐってトラブルになった際、地籍図をもとに専門機関による再測量を実施する。

つまり ひとことで

地籍図とは、国が土地の形状・番号・用途・境界を測量して記録した、土地の公式な「身分証明書」です。

作成 2026-01-06 更新 2026-10-12 検証 2026-10-12