定義
韓国の不動産取引において「家の住民票」とも呼ばれる登記簿謄本(登記事項全部証明書)で、権利関係を記録する中核となるページ区分です。甲区はその不動産の本当の所有者が誰で、所有権に法的なトラブルがないかを示し、乙区はその家を担保に銀行などから借りた借金(根抵当権など)の状況を示しています。
甲区:家の本当の持ち主と法的トラブルの有無を確認します
新学期に新しい友だちと知り合うとき、まず名札や基本情報を確かめるのに似ています。韓国で不動産を契約する際に真っ先に確認すべき甲区は、所有権に関するすべての歴史を記録したページです。この家を最初に建てた人から始まり、どのような経緯を経て現在の大家さんの手に渡ったのかが、時系列順にずらりと記されています。
月払い賃貸(ウォルセ)や保証金預託賃貸(チョンセ)の契約書を作成する際は、甲区の最後に記載された最終所有者の氏名と生年月日(住民登録番号の前半)が、目の前の大家さんの身分証明書と一致するか必ず照合しなければなりません。代理人が来た場合でも、本当にその大家さんからの委任状があるかを判断する基準点になります。
さらに甲区には、大家さんの不安定な経済状況がそのまま表れます。仮差押えや差押えは債権者が大家さんの財産を凍結している状態、競売開始決定はすでに競売手続きに入った状態、仮登記や仮処分は所有権が第三者に移ってしまうリスクを示すサインです。また、信託登記がなされていると、法的な所有者は信託会社(受託者)に移っています。元の大家さんと契約を結ぶには信託原簿を取り寄せ、信託会社の正式な同意があるかを確認しなければなりません。こうした記載が抹消されずに残っている物件には、とりわけ厳重な注意が必要です。
乙区:家を担保にして借りた借金が並ぶ一覧です
友だちにお金を貸すとき、その友だちが他の人からすでにいくら借金しているかを気にするのと似ています。乙区は所有権以外の権利、つまり家を担保にお金を借りた借金や、その他の担保権の設定状況を示すページです。現在有効な担保融資や伝貰権(チョンセケン:賃貸借登記の一種)などがなければ、乙区には過去の抹消履歴だけが残っているか、何も記載されていません。ただし、家を担保にしていない個人の借金は乙区には現れません。
乙区で最も頻繁に目にする言葉は「根抵当権」です。これは大家さんが銀行から住宅ローンを借りる際、銀行が家を担保にして設定する権利のことです。ここに書かれている「債権最高額」とは、大家さんが返済を滞納したときに、銀行が競売を通じて優先的に回収できる上限額を意味します。通常、実際に借りた元金の120〜130%程度と、利息や延滞分を見込んで余裕を持った額が設定されます。
韓国で賃貸住宅を借りる際は、この債権最高額と自分の預ける保証金を足した額が、住宅の相場に対して高すぎないかを必ず計算しなければなりません。一般に「相場の70〜80%を超えないこと」が目安(経験則)とされますが、法的な公式基準ではありません。また多世帯住宅の場合は、他の入居者の保証金も合算して考える必要があります。万が一、家が競売にかけられた場合、乙区に先に登録されている銀行が優先的に配当を受け取るため、借金が多すぎると大切な保証金が戻ってこない危険があるからです。
もう少し正確に言うと:順位番号と表題部まで確認してこそ万全です
運動会の徒競走で、ゴールラインを早く通過した順にメダルをもらう場面を思い浮かべてみてください。登記簿謄本に記載された権利同士も、順位番号と受付番号によって優先順位が決まります。同じ区の中(甲区同士、または乙区同士)では「順位番号」で比べ、甲区の差押えと乙区のローンなど異なる区の間では「受付番号」の前後で勝敗を決めます。ただし、実際の競売配当は、仮差押えの法的性質(優先弁済権がないこと)や滞納された税金、少額賃借人の最優先弁済制度などによって変動することがあります。
もう少し正確に言うと、甲区と乙区だけを見ればあらゆるリスクを完全に回避できるわけではありません。大家さんが滞納している韓国の国税や地方税などは、すぐに登記簿謄本に反映されない場合があるからです。そのため、大家さんに「国税・地方税完納証明書」の提示を求めたり、保証金が1,000万ウォン(約110万円)を超える場合は契約締結後から入居前までに税務署や自治体で大家さんの同意なしに未納税金を閲覧確認する自衛策が必要です。
最後に、建物の物理的な実態を示す「表題部」も忘れずに確認しましょう。契約しようとする部屋の棟・部屋番号や面積、地目(土地の用途区分)が表題部の記載と完全に一致していて初めて、法律上の保護を漏れなく受けることができます。
よくある誤解
登記簿謄本の乙区が真っ白で何も書かれていなければ、100%安全な物件である。
乙区が白紙でも、大家さんが滞納している税金(国税・地方税)や、他の入居者への保証金返還債務が隠れている場合があります。税金の滞納は登記簿にすぐには記録されないため、国税・地方税完納証明書を取り寄せたり未納税金の閲覧を行ったりして総合的に確認する必要があります。
日常で出会う場面
ワンルームの伝貰(チョンセ)契約を結ぶ前に、乙区の債権最高額(実際の借入額より高く設定された担保上限)と自分の保証金を合算した額が、周辺相場と比べて高すぎないかを計算する。
住宅を購入する際、甲区に仮差押えや競売開始決定の記載があれば、残金を決済する前に必ず抹消登記が完了するかを確認する。
つまり ひとことで
甲区は家の真の所有者と所有権をめぐるトラブルの有無を、乙区は家を担保にした借金の規模を確認するための最重要記録です。