定義
海外に行ったとき、自分が契約している通信会社の代わりに、その国の通信会社の回線を借りてインターネットを使える機能です。2社があらかじめ結んでいる提携のおかげで、SIMカードを入れ替えなくても現地の回線につながります。使った分の料金は現地の通信会社が自分の通信会社に請求し、自分の通信会社がそれを私の料金に上乗せして請求します。
他の大学の図書館で自分の学生証が使える理由
自分の大学の図書館ではなく、他の大学の図書館に行ったとしましょう。2つの大学があらかじめ提携していれば、自分の学生証だけでその場で本を借りられます。新しく会員証を作る必要はありません。
海外でスマホがインターネットにつながる仕組みも、これとよく似ています。飛行機を降りて機内モードをオフにすると、スマホは周りの電波を探します。自分の通信会社のアンテナは見つからず、現地の通信会社のアンテナだけが見えます。
このとき学生証の役目を果たすのが、スマホの中にあるSIMカードです。SIMには、自分がどの国のどの通信会社の契約者なのかが記録されています。現地の通信会社はこの情報を自分の通信会社に送って、本当に契約者かどうかを確認します。
確認が終わると、現地の回線が使えるようになります。自分の番号も料金プランもそのままで、他社の回線に乗せてもらって使うことがローミングで、その中でインターネットを使う部分をデータローミングと呼びます。
料金はどのようにかかるの?
他の大学の図書館で本を返すのが遅れると、延滞料金がかかります。そのお金はその場で払うのではなく、相手の大学が自分の大学に知らせて、自分の大学から私に請求されます。
ローミング料金も同じ順番をたどります。現地の通信会社が私の使ったデータ量を記録して、自分の通信会社に請求します。自分の通信会社はそこに自社の取り分を上乗せして、翌月の私の料金にまとめて入れます。
間にもう1社入って精算するので、国内で使うより高くなることが多いです。以前は、旅行のわずか数日で料金が大きく膨らんで驚く人が珍しくありませんでした。
そのため最近は、1日あたりの料金があらかじめ決まっているローミングプランが増えました。また、データローミングのスイッチをオフにしておけば、インターネットだけが止まり、通話とSMSは使えます。ただし通話やSMSはそのまま使える分、かけた電話や送ったメッセージにはローミング料金がかかることがあります。
もう少し正確に言うと
名前が似ているWi-Fiローミングは、別の話です。こちらは建物の中でWi-Fiルーターを移動しても接続が途切れないようにする機能で、国をまたいで通信会社の回線を借りるこのローミングとは用途が違います。
現地の通信会社のSIMや、旅行用のデータSIM・eSIMを使う方法もあります。これは他の大学の図書館で、その大学の会員証を新しく発行してもらうほうに近いです。ローミングより安いことが多い一方で、自分の番号にかかってくる電話やSMSは受けにくくなります。旅行用の商品の中には、別の国の通信会社の回線が現地の回線を借りて使う方式もあります。
eSIMはSIMの一種で、スマホの中にあるチップに回線情報をダウンロードして使う方式です。そのため、国内の回線をeSIMで使いながらローミングすることもできますし、従来のSIMと併用して2枚の会員証を持つこともできます。旅先で何を重視するかに合わせて選べばよいのです。
どちらを選んでも骨組みは同じです。自分の学生証をそのまま使うか、その大学の会員証を新しく作るかの違いにすぎません。
よくある誤解
データローミングをオンにしていても、自分がインターネットを使わなければ料金はかからない。
画面を見ていなくても、アプリがバックグラウンドで通知やコンテンツを自動的に受信しています。そのときやり取りされたデータも料金の対象になります。データローミングのスイッチをオフにすればこうしたデータは止まりますが、通話やSMSにはローミング料金がかかることがあります。
ローミングができるのは、自分の通信会社が海外にアンテナを建てているからだ。
海外に自分の通信会社の設備があるわけではありません。その国の通信会社がすでに整備した回線を借りて使い、その料金を通信会社同士があとで精算する仕組みです。
日常で出会う場面
海外の空港に降りて機内モードをオフにした途端、現地の通信会社名やご案内のSMSが表示される場面です。
旅行中に地図アプリで道を調べると、そのデータ料金が翌月の国内の料金とあわせて請求されます。
つまり ひとことで
海外で自分の番号とSIMをそのままに現地の通信会社の回線を借りて使い、その料金は通信会社同士が精算して自分の料金に上乗せされる仕組みです。