雇用保険
突然仕事を失って途方に暮れたとき、次の仕事が見つかるまで足元を支えてくれる「社会的なセーフティネット(安全網)」です。
定義 雇用保険とは、働いていた人が職を失ったときに生活を支え、次の仕事を見つけられるよう支援する国の代表的な社会保険制度です。労働者と事業主が普段から保険料を分担して積み立てておき、失業したときや新しいスキルを身につけるための職業訓練を受ける際に必要な費用を給付・支援します。
突然仕事を失っても路頭に迷わないために
綱渡りをするサーカスの曲芸師の下に、頑丈なネットが張られている様子をイメージしてみてください。いくら慎重に歩いていても足を踏み外すことがあるように、働く人も会社の都合や景気の変動によって、いつでも職を失うピンチに見舞われる可能性があります。雇用保険は、まさにそんな瞬間に地面へ激突しないよう受け止めてくれる社会的なセーフティネット(安全網)なのです。
普段働いているときに給与からわずかな金額を保険料として積み立てておき、急な倒産や人員削減などで失業した際に、毎月一定額の生活費を支給してくれます。このように失業中に支給されるお金を、一般に失業手当(求職者給付)と呼びます。
失業手当のおかげで、求職者は生活に追われて妥協した仕事に飛びつくことなく、日々の生活を守りながら自分の適性に合った次の職場をじっくり探す時間と心のゆとりを得られます。
単にお金を支給するだけの制度ではありません
多くの人が雇用保険を単に「失業保険の給付金をもらうためのもの」と考えがちです。しかし、雇用保険のもう一つの重要な役割は、雇用を守り、働く人のスキルアップを後押しする職業能力開発の支援にあります。
例えば、新しいスキルを学んだり資格を取得したりする際の教育訓練支援(韓国の「明日学習カード」や日本の「教育訓練給付制度」など)も雇用保険の財源で運営されています。受講料などの費用を国が支援することで、在職者がより良い条件でキャリアアップしたり、求職者が新たな分野へ挑戦したりするのを助けます。
それだけでなく、育児のために仕事を休む期間に支給される育児休業給付や、企業が経営難の際に従業員を解雇せず休業させた場合に人件費を助成する雇用調整助成金(雇用維持支援金)も、すべて雇用保険からまかなわれています。
もう少し詳しく:誰でも好きなときにもらえるの?
より正確に言うと、雇用保険の失業手当は仕事を辞めたからといって無条件にもらえる退職祝い金ではありません。失業給付の最も重要な目的は、積極的に再就職活動を行う人の生活を支えることにあります。
そのため、自己都合で会社を辞めた自発的退職の場合は、原則としてすぐには受給できなかったり給付制限がついたりします。会社の倒産、契約期間満了、解雇や事業所移転による通勤困難など、やむを得ない事情(会社都合など)が認められて初めてスムーズに支給対象となります。
また、受給期間中も求人に応募したり面接を受けたりと、実際に次の仕事を探す努力をしていることを定期的にハローワーク(雇用センター)等で認定してもらう必要があります。近年ではフリーランスや特殊形態の労働者、芸術家などへも加入対象が広がり、より多くの働く人を守る仕組みへと進化しています。
🤔 よくある誤解
自分が辞めたくて自己都合退職した場合でも、すぐに失業手当を満額もらえる。
原則として本人の意志による自発的退職(自己都合退職)の場合、すぐには受給できず一定の給付制限期間が設けられたりします。会社都合退職、契約満了、事業所移転による通勤困難、賃金未払いなど、法令で定められた正当な理由が認められる必要があります。
🧺 日常で出会う場面
雇用保険は、失業時の生活を支え、職業訓練や再就職をトータルで後押しする必須の社会保障セーフティネットです。