定義
メタデータは「データについてのデータ」という意味で、情報やファイルを説明・管理するために付け加えられた属性情報です。写真ファイルそのものの色の点とは別に、撮影した時間・場所・カメラの機種などが書かれた情報が代表例です。
宅配便の送り状と同じです
ネットショッピングで服を注文すると、服は箱の中に入って届き、箱の外側には送り状のラベルが貼ってあります。送り状には、送り主、届け先の住所、箱の重さ、発送日が書かれていますよね。配達員さんは箱をいちいち開けなくても、送り状を見るだけでどこへ届ければいいかすぐ分かります。
デジタルの世界のファイルも、まったく同じしくみで動いています。スマートフォンで撮った写真1枚には、たくさんの色の点(ピクセル)のデータだけでなく、目に見えない情報も一緒にくっついています。撮影した日付と時刻、撮影したスマートフォンの機種、絞り値(F値)、さらにはGPSの位置情報まで一緒に保存されます。
このように、中身そのもののデータではなく、中身を説明してくれる付加情報のことをメタデータと呼びます。メタデータがあれば、コンピューターはファイルの中身を最初から最後まで開いてみなくても、ファイルの正体をあっという間に把握できます。
メタデータがあると、ぐっと速く見つかります
図書館に何十万冊もの本が並んでいると想像してみてください。どの本にも表紙にタイトル、著者、出版社、分類番号のラベルがなかったら、ほしい本をどうやって探せばいいでしょうか。全部の本を最初のページから最後のページまで自分で読みながら探すしかありません。
コンピューターやスマートフォンも同じです。スマホの写真アプリで「去年の夏」や「沖縄で撮った写真」と検索すると、数秒で写真がぱっと見つかる秘密がメタデータです。コンピューターは写真の中のピクセルを全部調べるのではなく、撮影日と位置情報を先に読んで、ほしい写真をすばやく絞り込みます。ただし、「犬」のように写真に何が写っているかで探す機能は、メタデータではなく、端末がピクセルをAIで分析して新たに付けた認識結果(自動タグ)を使っています。
音楽ストリーミングアプリで曲を聴くときに画面に出る歌手名、アルバムジャケット、発売年、ジャンルも、すべて音源に付随するメタデータです。ファイルの中に一緒に記録されることもあれば、サービスのデータベースに別に保存されることもあります。毎日使うポータルサイトのウェブ検索は、ページ本文全体を読んで索引にしたうえで、タイトルや要約といったメタデータも合わせて参考にし、結果を整理して見せてくれます。
もう少し正確に言うと:便利さの裏に隠れた個人情報
もう少し正確に言うと、メタデータは単なるファイルの説明にとどまらず、データベース管理やセキュリティ、人工知能の学習まで、コンピューターサイエンス全般で使われる非常に幅広い概念です。コンピューターシステムはメタデータを使って、ファイルの作成者や編集権限を管理し、データを体系的に制御しています。
ただし、便利な分、注意したい点もあります。スマートフォンで自宅の中で撮った写真を、そのままの元データでインターネットの掲示板に投稿すると、写真の中のEXIFメタデータに入っている位置座標まで、ほかの人にそのまま見えてしまうことがあるのです。
そのため最近は、多くのSNSが写真のアップロード時に、位置や撮影機器といったセンシティブなメタデータを自動で消す処理をしています。メタデータはコンピューターがデータを効率よく扱うための最高の道具ですが、プライバシーに関わる情報が含まれることもある、諸刃の剣です。
よくある誤解
メタデータとは、ファイル名やファイルサイズのような単純な情報だけを指す。
ファイル名だけでなく、作成者、編集に使ったプログラム、カメラの細かな設定値、GPSの位置座標、ウェブページの要約説明、アクセス権限など、データを説明するあらゆる詳しい情報がメタデータにあたります。
日常で出会う場面
スマートフォンの写真ファイルに隠れている撮影日、時刻、カメラの機種、GPSの位置情報(EXIFデータ)
音楽ファイルに一緒に記録されている歌手名、アルバム名、発売年、トラック番号(ID3タグ)
ウェブページのコードに書かれ、検索ロボットにサイトの内容を伝える要約情報(HTMLのメタタグ)
つまり ひとことで
メタデータは「データを説明するデータ」で、コンピューターがファイルをすばやく検索・分類・管理できるように助けてくれる案内札です。