定義
モバイルオーダーは、お店のレジに並ばなくても、スマホアプリで事前にメニューを選んで支払いまで済ませ、用意できた商品をすぐ受け取れるようにする遠隔注文のしくみです。お客さんの時間を節約できるだけでなく、お店の混雑も大きく減らしてくれます。
通勤中に注文して、お店の入口でさっと受け取るコツ
忙しい朝の通勤中、カフェの前を通ると、ずらりと続く行列をよく見かけますよね。モバイルオーダーは、この長い行列をスマホの画面の中に移してしまう技術です。電車を降りながらアプリで温かいアメリカーノを注文しておけば、お店に着くころにはドリンクができあがっていて、カウンターですぐ受け取れます。
このとき、サービスによってはジオフェンシング(仮想の柵を使う技術)が使われます。アプリがお客さんのスマホの位置を把握して、お店までの距離を計算するのです。多くのサービスでは注文が入るとすぐにドリンクを作り始めるため、遠くから注文すると、できたてが冷めてしまうことがあります。そこで、お店から一定の距離の範囲内にいるときだけ注文を受け付けたり、お客さんが近づいたタイミングで厨房に調理開始の合図を送ったりする方法がとられます。
おかげで、お店で注文してカウンターの前でぼんやり待っていた時間を、ぐっと減らせます。お客さんが集中するお昼どきでも、店員さんとやり取りをしなくても、自分の番にぴったり合わせて用意されたドリンクを受け取れるのです。
もう少し正確に言うと:画面の裏側で起きていること
スマホの画面上ではボタンを数回押すだけの簡単な操作ですが、その裏側では複雑な通信技術が休みなく動いています。お客さんがアプリで支払いボタンを押すと、注文情報はまず通信網を通って、カフェ本社の中央クラウドサーバーに飛んでいきます。
中央サーバーはこの注文を処理したあと、お店に設置されたPOS(決済と店舗管理のための端末)システムにリアルタイムで送ります。すると、厨房のモニターに注文票が表示されたり、専用プリンターからレシートが出力されたりします。バリスタが画面の「完成」ボタンを押すと、サーバーがそれを検知して、お客さんのスマホにリアルタイムのプッシュ通知を送ってくれます。
これらすべてが数秒のうちになめらかにつながるのは、異なるソフトウェア同士をつなぐAPI(プログラム同士が会話するためのルール)と、リアルタイム通信網がしっかり整っているからです。おかげで、お客さんとお店のスタッフは、ひと言も交わさなくてもちょうどよいタイミングでドリンクをやり取りできる便利さを味わえます。
ただのお使いを超えて、賢くなるお店
モバイルオーダーは、待ち時間を減らすだけではありません。牛乳を豆乳に変える、氷を少なめにするといった、いつものこまかいカスタムを毎回覚えておいてくれて、ワンタップで同じ注文ができるようにしてくれます。
お店にとっても、在庫管理と人員の運用がずっと楽になります。特定のシロップやコーヒー豆が切れたときは、アプリのメニューからすぐに「売り切れ」にできるので、お客さんとの無用なトラブルを防げます。また、注文を受けるためにカウンターに張りついていたスタッフが、ドリンクづくりや接客だけに専念できるので、店舗運営の効率が大きく高まります。
さらにお店は、積み重なった注文データをもとに、お客さんが混む時間帯を予測したり、季節や天気に合わせたクーポンを提案したりと、より精度の高いパーソナライズサービスへと進化しています。
よくある誤解
モバイルオーダーは、どんなに遠くからでも注文できる。
多くのサービスは注文が入るとすぐ作り始めるので、遠くから注文すると、食べ物が冷めたり飲み物がぬるくなったりすることがあります。そのため、位置情報(GPS・ジオフェンシング)でお店から一定の距離の範囲内だけ注文を受け付けるようにしたり、一部では到着を検知してから調理を始めたりする方法がとられています。
日常で出会う場面
通勤中の電車の中で先にコーヒーの支払いを済ませておき、お店に着いたら並ばずにそのまま受け取ります。
レストランのテーブルで店員さんを呼ぶ代わりに、テーブルに貼られたQRコードをスマホで読み取り、メニューを選んで支払いまで済ませます。
つまり ひとことで
スマホで事前に支払いを済ませ、お店のPOSとリアルタイムでつながることで、待たずに商品を受け取れる非対面の注文技術です。