IT·テック

QRコード

碁盤目のモザイクタイルの中に、たくさんの文字やアドレスをぎっしり隠しておける、デジタルのメモ帳です。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-17 検証

定義

QRコードは、白と黒の四角が並ぶ格子模様の中に、文字やインターネットのアドレスなどの情報を2次元で収めた模様のコードです。横方向の一列だけで情報を読む従来のバーコードより、ずっと多くのデータを一瞬で読み取れます。

なぜ従来のバーコードよりずっと賢いのでしょう?

スーパーのレジで、ピッと音を立てて読み取る縞模様のバーコードは、よく見かけると思います。従来のバーコードは、横方向の線の太さと間隔だけで数字を表します。一列だけで文字を書くので、入れられる情報はせいぜい20字ほどでした。

一方QRコードは、縦と横の両方向を使う碁盤目の格子です。2次元の平面全体に情報を白黒の点に分けて並べるので、小さな紙一枚の大きさでも、数千字にもなる文字や長いウェブサイトのアドレスをたっぷり収められます。

おかげで、長いインターネットのアドレスをスマートフォンのキーボードで一文字ずつ打つ必要がなくなりました。カメラをさっとかざすだけで、その場ですぐにウェブページにつながったり、決済画面に移ったりできるようになったのです。

破れてもしわになっても読める秘密

QRコードが印刷されたカフェのレシートがしわくちゃになったり、ポスターの角が破れたりしても、不思議とちゃんと読み取れます。これは、QRコードの中に元のデータだけでなく、傷んだ部分を埋め合わせる復元用の数学的な情報も一緒に入っているからです。

これを誤り訂正(Error Correction)技術と呼びます。大事な手紙を送るときに、肝心な一文を隅にもう一度小さく書いておくのと似た考え方です。作るときに選んだ訂正レベルによって、データの約7%から最大30%まで、壊れたり消えたりしても元の内容を割り出せます。

QRコードのまんなかにかわいいキャラクターの絵や会社のロゴを入れられるのも、この仕組みのおかげです。まんなかが絵で隠れてデータの一部が失われても、まわりに残ったタイルから空白部分を計算して、自動で埋めてくれるのです。

もう少し正確にいうと

QRコードの三つの角をよく見ると、大きな四角い枠が三つ配置されています。この枠を「位置検出パターン」と呼びます。スマートフォンのカメラがコードを斜めから写したり、逆さまに持ったりしても、カメラがコードの正確な向きと傾きを1秒でつかめるように、目印の役割を果たしています。

四角い枠で向きを決めたあとは、白黒のタイルの並びを、コンピューターの基本言語である0と1のデジタル信号に変換します。黒い点は1、白い点は0として、格子をすばやく順になぞって読み取っていく方式です。

ただしQRコードには、人の目で見て、安全なサイトなのか危険なサイトなのか見分けにくいという弱点もあります。偽のコードを貼りつけて危険なサイトに誘導する詐欺の手口(QRフィッシング、Qshing)も現れているので、出どころのわからない路上のステッカーのコードは、気をつけて読み取りましょう。

よくある誤解

誤解

QRコードは、少しでも傷がついたり角が破れたりすると、まったく読み取れなくなる。

事実

誤り訂正機能が標準で入っているので、訂正レベルによって、データの約7%から最大30%まで、壊れたり落書きで覆われたりしても、復元して読み取れます。

日常で出会う場面

  1. 飲食店のテーブルに貼ってあるコードをスマートフォンのカメラで読み取って、メニューを見て注文します。

  2. 飛行機の搭乗券やライブ会場のモバイルチケットをゲートのリーダーにかざして、スムーズに入場します。

つまり ひとことで

縦横2次元の格子に情報を収めて素早く読み取れ、一部が傷んでも自分で復元できる、賢いモザイクのコードです。

作成 2025-07-25 更新 2026-10-17 検証 2026-10-17