科学

分子量

完成したレゴ作品の重さを知るために、組み立てに使ったブロックの重さをすべて足した値のようなものです。

定義

分子量とは、1つの分子をつくっているすべての原子の重さ(原子量)を全部足し合わせた値です。分子という粒1個が相対的にどれくらい重いのかが、ひと目でわかる基準になります。

レゴのパーツの重さを集めて、完成品の重さを量ります

レゴで車を作ったと想像してみましょう。この車全体の重さを知りたければ、タイヤ4個と車体ブロックの重さを1つずつ足せばOKです。分子の世界でも、まったく同じ方法で重さを計算します。

水分子は水素原子2個と酸素原子1個でできています。水素原子の相対的な重さは約1、酸素原子は約16です。そのため水分子の重さは、1に2をかけて16を足した18になります。このように、分子をつくる原子の重さをすべて足した値が分子量です。

二酸化炭素も同じです。炭素原子1個(12)に酸素原子2個(16×2=32)を足すと、分子量は44になります。どんなに複雑な分子でも、化学式を見て原子の重さを順番に足していくだけで、簡単に求められます。

もう少し正確に言うと、単位のない相対的な数字です

原子は目に見えないほど軽すぎて、ふつうのはかりでは量れません。そこで科学者たちは、炭素12原子1個の重さをちょうど「12」と決め、これを基準にほかの原子の相対的な重さである「原子量」を定めました。

ですから、原子量を足してつくる分子量にも、グラム(g)やキログラムのような単位がない、純粋な比率です。水の分子量が18というのは、炭素原子を12としたとき、相対的に18だけの重さがあるという意味です。

とはいえ、実際の実験室では目に見える量を扱わなければなりません。そこで科学者たちは、分子をアボガドロ数(約6.02×10²³個、つまり1モル)ぶん、ひとまとまりにして扱います。1モルの質量は、分子量のあとに「グラム(g)」をつけた値とほぼ同じです。水分子を1モル集めると、約18グラム(より正確には18.015グラム前後)になります。

分子量は物質の性質や化学計算に大きく影響します

分子量は、単に数字を計算して終わりではなく、物質の性質を推測する重要な手がかりになります。一般に、似た構造の分子どうしでは、分子量が大きいほど(たいてい分子が大きく、電子も多くなるため)分子間に働く引力が強くなる傾向があります。そのため、分子量が大きいほど沸点や融点が高くなる傾向があります。ただし、分子量だけで性質が決まるわけではありません。水(18)は水素結合をするため、分子量がもっと大きい二酸化炭素(44)とは違い、室温で液体として存在します。

たとえば、天然ガスの主成分であるメタンは分子量が16と小さく、室温では気体です。一方、分子量が数万~数十万以上にもなるプラスチックの高分子は、室温で固体として存在します。

また分子量は、化学工場で薬品や新しい物質を合成するときにも欠かせません。料理で小麦粉と砂糖の重さを量って入れるように、化学反応でも分子量を知っていてはじめて、反応物を正確な個数の比率で混ぜ、狙いどおりの生成物をつくれます。

よくある誤解

誤解

水の分子量が18なら、水分子1個の実際の重さは18グラムという意味だ。

事実

分子量は単位のない相対的な比率です。水分子1個はとても軽く、18グラムになるには水分子が約6000垓個(1モル)集まる必要があります。

誤解

食塩(NaCl)のように、あらゆる化学物質の重さを分子量と呼ぶ。

事実

食塩は独立した分子ではなく、イオンが果てしなくつながった結晶構造です。分子ではないので、厳密には分子量ではなく「式量」と呼びます。

日常で出会う場面

  1. 水(H₂O)の分子量は、水素(1×2)と酸素(16)を足した約18です。

  2. 息を吸うときに取り込む酸素(O₂)の分子量は約32です。

  3. 息を吐くときに出る二酸化炭素(CO₂)の分子量は約44です。

つまり ひとことで

分子量は、分子をつくる原子の相対的な重さを足し合わせた値で、物質の性質や化学計算の基本となる基準です。

この概念が登場するストーリー

作成 2024-10-19 更新 2026-10-13 検証 2026-10-13