科学

虹のしくみ

空中にまかれた何億もの水滴の鏡が、太陽の光を曲げて広げ、空に織りなす巨大な七色の扇のようなものです。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-17 検証

定義

虹とは、空気中に浮かぶたくさんの小さな水滴の中に太陽の光が入るとき、光が曲がったり反射したりして、いろいろな色に分かれて見える光学現象です。透明に見える太陽光の中に隠れていた赤から紫までの光が、水滴を通るときにそれぞれ違う角度で曲がり、私たちの目に届きます。

水滴の中で起きる、光の3段階の旅

雨上がりの空気中には、ごく小さな水滴が数えきれないほど浮かんでいます。背中側から差す太陽の光が水滴に入ると、空気と水の境目で速さが変わり、光の進む道が曲がります。これを光の屈折と呼びます。

水滴の中に入った光は、そのまま突き抜けるわけではありません。水滴の奥の内壁にぶつかり、鏡のように内側へはね返ります。これが水滴の内部で起きる反射です。光の一部は外へ抜けてしまいますが、はね返った光は水滴の前面へ向かって進みます。

最後に、水滴の前面を抜けて空気中に出るとき、光はもう一度曲がります。このように光が水滴の中で「屈折→反射→屈折」の3段階をたどって私たちの目に届くと、隠れていた光の色とりどりの色がはじめて広がって見えるのです。

なぜ赤はいつも外側の上にあるの?

太陽の光は一色に見えますが、実際には波長の長い赤い光から波長の短い紫の光まで、あらゆる色が混ざった状態です。光が空気から水滴に入るとき、色ごとに曲がる角度が違います。

波長の短い紫の光は水滴を通るときに大きく曲がり、波長の長い赤い光は比較的ゆるやかに曲がります。このように、色によって光が違う角度に広く分かれる現象を光の分散といいます。

1つの水滴から出てくる光のうち、赤い光は太陽光線とおよそ42度の角度をなし、紫の光はおよそ40度をなします。空の高いところにある水滴からは下向きに曲がった赤い光が目に入り、少し低いところの水滴からは紫の光が入ってきます。だから赤がいちばん外側の上に見えるのです。

もう少し正確にいうと:虹は本当は丸い円です

地上から見る虹は、たいてい半円形のアーチです。でもそれは、地平線や地面にさえぎられて、下半分が見えないからです。飛行機で高い空に上がったり、高い山の頂上から見下ろしたりすると、まんまるの円形の虹を見ることができます。

また、虹は空の決まった場所に固定されてぶら下がっている「もの」ではありません。観察する人の目と太陽を結ぶ仮想の軸を中心に、約40〜42度の角度をなす方向から来る光なのです。だから自分が歩けば虹もいっしょに動き、どんなに追いかけても虹の端にたどり着くことはできません。

ときどき、虹の外側にうっすらともう1本できる二重の虹(ダブルレインボー)を見かけます。これは水滴の中で光が2回反射して現れる現象で、反射がもう1回増えるぶん色の順番が逆になり、内側が赤、外側が紫になります。

よくある誤解

誤解

虹は空の決まった位置にぶら下がっている、アーチ形の実体である。

事実

虹は、観察する人の位置と太陽の角度によって目の中に結ばれる光学現象です。本来の形は完全な円形で、自分が動けば虹もいっしょに動きます。

誤解

ダブルレインボーの2本目の虹も、色の順番は同じである。

事実

外側にできる2次の虹は、水滴の中で反射が2回起きるため、色の並びが逆になり、紫が上、赤が下に位置します。

日常で出会う場面

  1. 雨上がりの直後、太陽を背にして空を見ると、くっきりした虹が現れます。

  2. 庭でホースの水を霧のように撒くとき、太陽を背にして立つと、手のひらサイズの虹をつくれます。

  3. 日差しの強い日に太陽を背にして滝を見ると、水しぶきの間によく虹が浮かびます。

つまり ひとことで

空気中の水滴が太陽の光を屈折・反射・分散させて、いろいろな色に分けて広げて見せる現象です。

作成 2026-07-30 更新 2026-10-17 検証 2026-10-17