科学

サバンナ気候

シャワーを全開にしたように雨が降り注ぐ季節と、一滴の水も出てこないカラカラの季節が、毎年かわりばんこにやって来る、広大な草原の天気です。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-16 検証

定義

サバンナ気候は、一年中気温が高く、雨がたくさん降る雨季と、ほとんど雨が降らない乾季がとてもはっきり分かれる熱帯気候の一種です。見渡すかぎり広がる背の高い草原に、木がぽつぽつと生えている風景が代表的です。

雨が降り注ぐ季節と、カラカラに乾く季節

映画「ライオン・キング」の舞台になった、あの広い野原を思い浮かべてみてください。サバンナでは、一年が大きく二つの季節に分かれます。空に穴が開いたように毎日スコールが降る「雨季」と、雨が一滴もほとんど降らず、地面がひび割れる「乾季」です。

雨季になると、乾いていた野原があっという間に緑の草原に変わります。人の背丈をゆうに超える草がぐんぐん伸び、それを食べるシマウマやヌーの群れが集まってきます。ところが乾季が始まると、水たまりは干上がり、草は黄色く枯れていきます。動物たちは生き延びるために、水が残っている場所を求めて数百キロメートルも移動します。

こんなに極端な二つの季節のくり返しは、動物だけでなく植物の姿も変えました。バオバブのように幹の中に大量の水をためこんだり、アカシアのように葉を小さくして水分の蒸発を抑えたりする植物だけが、この厳しい乾季を乗り切ることができるのです。

なぜ雨が降ったり降らなかったりするの?

サバンナ気候の秘密は、地球をめぐる空気の動きに隠れています。赤道付近には、強い日差しで熱せられた空気が上に昇って巨大な雨雲をつくる「熱帯収束帯(赤道付近で空気が集まって上昇する地域)」という雨雲の帯があります。反対に、赤道から少し離れたところには、乾いた空気が下りてくる高気圧の地帯が広がっています。

地球は傾いたまま太陽のまわりを回っているため、この雨雲の帯は季節に合わせて北と南へ行ったり来たりします。雨雲の帯がサバンナの上にやって来れば雨が降り注ぐ雨季になり、雨雲の帯がほかの場所へ移って乾いた空気が下りてくると、ぴたりと雨がやむ乾季が訪れるのです。

つまりサバンナは、熱帯雨林のように一年中雨が降る地域と、砂漠のように一年中雨がほとんど降らない乾燥した地域のちょうど中間にあるので、その両方の天気を交互に味わうことになります。

もう少し正確にいうと

ドイツの気候学者ケッペンがつくった気候区分では、サバンナ気候は「Aw」という記号で表されます。「A」は最も寒い月の平均気温でも18度以上ある温暖な熱帯気候を、「w」は「冬に乾燥する」という意味のドイツ語の単語に由来する記号です。

サバンナというと、木が一本もない荒れ野を想像しがちですが、実際は長い乾季に耐えられる背の低い木がまばらに立つ疎林草原の姿をしています。雨季のあいだに茂った草が乾季に枯れると野火がよく起こります(今では落雷よりも人がつける火のほうがずっと多いです)。この火が、うっそうとした森ができるのを防ぎ、草原を保つ大切な役割を果たしています。

サバンナはアフリカだけでなく、ブラジルのセラード、オーストラリア北部、インドの一部など、世界のさまざまな大陸に広く分布しています。こうした地域の人々は、雨季に合わせて農業をおこない、乾季には家畜を連れて移動するという独特の暮らしを受け継いできました。

よくある誤解

誤解

サバンナは、ほとんど雨が降らない砂漠のような場所だ。

事実

サバンナの年間降水量は地域によって、おおよそ数百ミリから1,500ミリほどあり、砂漠よりずっと多めです。ただし、雨が一年中まんべんなく降るのではなく、雨季に集中して降るところが砂漠とは違います。

日常で出会う場面

  1. セレンゲティ国立公園では、100万頭を超えるヌーやシマウマが、雨季に合わせて草を求める大移動をおこないます。

  2. アフリカのバオバブは、厳しい乾季を乗り切るために、巨大な幹の中に数千リットルもの水をためこみます。

つまり ひとことで

サバンナ気候は、熱帯収束帯の移動によってはっきりした雨季と乾季がくり返される、熱帯の草原の気候です。

作成 2024-12-09 更新 2026-10-16 検証 2026-10-16