定義
韓国語の動詞・形容詞で、文によって変わっても基本的に形を保ち、中心の意味を握っている骨組みの部分を「語幹」、その後ろについて文の働きやニュアンスを自在に変える尻尾の部分を「語尾」といいます。
体はそのまま、服だけ着替える言葉のしくみ
着せ替え人形で遊ぶとき、人形の体はそのままに、季節に合わせて服や帽子だけを替えた記憶はありませんか。韓国語で動きや状態を表す単語も、まさにこの方法で姿を変えて使われます。
例えば「먹다(モクタ・食べる)」という単語は、場面に応じて「먹고(モッコ・食べて)」「먹으니(モグニ・食べると)」「먹어서(モゴソ・食べて/食べたので)」「먹겠다(モッケッタ・食べるつもりだ)」のように、後ろの部分を自由に変えて使います。このとき、どう活用しても基本的に形を保つ中心の骨組みである「먹-(モク-)」の部分が、単語の柱の役割を果たす語幹です。
反対に、その後ろについて、天気や場所に合わせて服を着替えるように形を変える「-다(-タ)」「-고(-コ)」「-으니(-ウニ)」「-어서(-オソ)」といった部品を、尻尾の役割を果たす語尾と呼びます。骨組みは中心の意味をしっかり支え、尻尾は場面に合わせて言葉を変える、という役割分担ですね。ちなみに日本語の「食べる」の「食べ-」と「-る」も、同じ語幹と語尾の関係です。ただし「돕다(トプタ・手伝う)→도와(トワ)」「긋다(クッタ・線を引く)→그어(クオ)」のように、語幹の形が変わる活用もあります。
文の時間と態度を決める魔法の尻尾
語尾は、単語と単語をつなぐだけでは終わりません。文末にどの語尾を選ぶかによって、言葉の雰囲気や敬語かどうか、さらには行動が起きた時間まで、すっかり変わります。
「공부하-(コンブハ-・勉強する)」という語幹の後ろに、過去を表す「-였-(-ヨッ-)」がつくと「공부하였다(コンブハヨッタ)」、縮めて「공부했다(コンブヘッタ・勉強した)」になり、意志を表す「-겠-(-ケッ-)」がつくと「공부하겠다(コンブハゲッタ・勉強するつもりだ)」になります。目上の人に丁寧に話すときは、「-ㅂ니다(-ムニダ)」や「-세요(-セヨ)」のような語尾を選んで敬意を表します。
このように韓国語は、1つの語幹に複数の語尾が電車の車両のようにつながってつくことができます。「가-시-었-겠-다(カ-シ-オッ-ケッ-タ・行かれたことだろう)」のように、尊敬・過去・推量を表す語尾が順につながって細やかな意味を完成させるのが、韓国語の用言の活用いちばんの特徴です。
もう少し正確にいうと:語幹と語根の違い
韓国語の文法を学ぶとき、いちばん混同されやすい概念が「語幹」と「語根」です。どちらも「中心」を指す言葉のようですが、単語を見る基準がまったく違います。
「語根」は、単語が作られるときに実質的な意味を担っている「根っこ」のことで、「語幹」は、すでにできあがった単語が文の中で活用するときに変わらない「幹」のことです。例えば「먹히다(モキダ・食べられる)」という単語を分解すると、根っこ(語根)は「먹-(モク-)」ただ1つです。
ところが「먹히다」が「먹히고(モキゴ)」「먹히니(モキニ)」のように活用するとき、変わらない体の部分は、受身の接辞「-히-(-ヒ-)」まで含めた「먹히-(モキ-)」全体が語幹になります。つまり語根は単語の生い立ち(成り立ち)を問う概念で、語幹は文の中で服を着替える実戦の状態を問う概念なのです。
よくある誤解
語幹と語根は同じものを指す同義語だ。
語根は単語を作るときに実質的な意味をもつ「根っこ」で、語幹は単語が活用するときに変わらない「幹」です。接辞が結合した派生語では、語根と語幹の範囲が異なってきます。
日常で出会う場面
「달리다(タルリダ・走る)」「달리고(タルリゴ)」「달리니(タルリニ)」で変わらない「달리-(タルリ-)」が語幹で、変わる「-다」「-고」「-니」が語尾です。
「잡다(チャプタ・つかむ)」という動詞も、「잡고(チャプコ)」「잡으니(チャブニ)」「잡지만(チャプチマン)」のように、語幹「잡-(チャプ-)」の後ろにさまざまな語尾がついて文を作ります。一方「예쁘다(イェップダ・きれいだ)」は、「예뻐서(イェッポソ)」で語幹が「예ㅃ-(イェッ-)」の形に変わります。
つまり ひとことで
語幹は単語の中で基本的に形を保つ中心の骨組みで、語尾は文脈に合わせてさまざまに服を着替える尻尾です。