定義
意味を持ったままではこれ以上細かく分けることができない、言葉の最小単位のことです。もう一度分けると意味が消えてしまう限界の境目までがひとつの形態素です。文字数とは関係がなく、1文字だけでひとつの形態素になることもあれば、2〜3文字でひとかたまりの形態素になることもあります。
「김밥(キンパ)」をさらに分解するとどうなる?
レゴで作った車をパーツごとに分解してみましょう。タイヤを外し、ドアを外していくと、これ以上分けると何の形でもなくなる「一番小さなブロック」に行き着きます。
言葉も同じように分解できます。例えば「김밥(キンパ・韓国風海苔巻き)」は「김(キム・海苔)」と「밥(パプ・ご飯)」に分かれ、どちらのパーツもそれぞれ意味を持っています。しかし、「김」を子音と母音にさらに分解してしまうと、意味は跡形もなく消えてしまいます。
だから言葉を分けるときは、意味が残っているかどうかを基準にしてストップします。意味を保ったまま、これ以上は分けられない最後のパーツ、それが「形態素」です。
文字数は基準になりません。「하늘(ハヌル・空)」は2文字ですが、「하」と「늘」に分けると意味が消えてしまうため、全体で1つの形態素と数えます。逆に「풋사과(プッサグァ・青りんご)」は3文字ですが、「풋-(プッ・未熟な)」と「사과(サグァ・りんご)」という2つのパーツに分かれます。
一人立ちできるブロック、くっつく必要があるブロック
レゴブロックの中には、それひとつポンと置くだけで椅子の形に見えるパーツがあります。その一方で、ほかのパーツにはめ込んで初めて役に立つ小さなパーツもあります。
形態素も大きくこの2つに分かれます。「하늘(空)」「밥(ご飯)」「사과(りんご)」のように、単独で使っても意味が通じるパーツを自立形態素(自由形態素)と呼びます。その名の通り、ほかの言葉の助けを借りずに一人立ちできるパーツです。
一方、「이(〜が)」や「를(〜を)」のようにほかの言葉の後ろにくっついて初めて使われるパーツは依存形態素(拘束形態素)です。「먹-(食べる)」のように、後ろに何かが続いて初めて文の中で使えるパーツもここに含まれます。単独で使えるかどうかが、この2つを分ける基準です。
「하늘이 맑다(空が澄んでいる)」という短い文をパーツに分解してみましょう。「하늘」「이」「맑-」「-다」という4つのパーツに分かれます。ひとつの文にも、いくつものブロックが組み合わさっているのです。
もう少し詳しく言うと
レゴブロックの1ピースがそのまま完成したおもちゃではないように、形態素ひとつがそのまま「単語」になるとは限りません。
「김밥(キンパ)」は単語としては1語ですが、形態素としては2つです。逆に「하늘(空)」のように、単語と形態素の大きさがぴったり一致する場合もあります。そのため、単語を数えることと形態素を数えることは別の作業です。「하늘이 맑다(空が澄んでいる)」も、形態素としては4つですが、単語としては「하늘」「이」「맑다」の3語です。「이」のような助詞は一人立ちできない依存形態素ですが、簡単に切り離せるため単語としてカウントされます。
また、音が同じだからといって同じブロックとは限りません。食べる梨の「배(ペ)」と、水の上を進む船の「배(ペ)」は、音は同じでも意味が異なるため、別の形態素として扱います。音ではなく意味が基準になるからです。
結局のところ、形態素を見つける作業は言葉をむやみに細かく砕く遊びではありません。その言葉がどんなパーツで組み立てられているのかを観察することです。組み立てパーツが分かるようになれば、初めて出会う言葉でも意味を推測できるようになります。
よくある誤解
形態素とは、文字の1文字1文字のことを指す言葉である。
文字ではなく「意味」の単位です。「하늘(空)」は2文字でも形態素としては1つであり、「풋사과(青りんご)」は3文字ですが形態素としては2つです。
形態素とは、辞書に載っている「単語」と同じ意味である。
「김밥(キンパ)」のように1つの単語が2つの形態素からできていることもあれば、「풋-(未熟な)」や過去を表す「-었-(〜した)」のように、単独では単語になれない形態素もあります。
日常で出会う場面
「풋사과(青りんご)」を「풋-」と「사과」に分けると、「未熟な・青い」という意味が「풋-」に込められていることが分かります。
「먹었다(食べた)」を「먹-」「-었-」「-다」に分けると、パーツごとに「食べる動作」「過去の出来事」「文の締めくくり」を分担していることが分かります。
つまり ひとことで
意味を持ったままこれ以上分けられない言葉の最小単位であり、単独で使えるかどうかに応じて自立形態素と依存形態素に分かれます。