定義
韓国語の分かち書きルールは、韓国で定められているハングル正書法の規則で、文章を読みやすく、誤解なく理解できるように、文の中の単語を一定の基準で区切って書くための約束事です。
文の息つぎ、なぜ単語ごとにスペースを空けるの?
話すとき、息つぎもせずに一気にまくし立てると何を言っているのか聞き取りにくいですよね。文字もぎっしりくっついていると、意味がもつれてしまいます。有名な例に、いたずらっぽい「아버지 가방에 들어가신다(アボジ カバンエ トゥロガシンダ)」という文があります。スペースが一つ入る位置が違うだけで、お父さんが部屋に入るのか、かばんの中に入ってしまうのか、意味がまるで変わってしまうんです。
韓国語の正書法における分かち書きの大原則は、とてもシンプルです。文の中の各単語は区切って書くというルールです。単語とは、おおむね単独で使える最小の言葉の単位(自立できる言葉)のこと。空、ご飯、食べる、きれいだ、のように、ひとりで意味をちゃんと表せる語は、すべて前後に一マスずつ空けて書きます。
もし全部の文字をくっつけて書くと、目が単語の境目を探すのに手間取って、読む速さがぐっと落ちてしまいます。分かち書きは、読み手の脳が単語をかたまりとして次々に読み進められるように助けてくれる、目で見える句読点の役目を果たしているのです。
影のようにくっつく助詞と、独立している依存名詞
単語はすべて区切って書くと言いましたが、それなら「나는(ナヌン・私は)」「집에서(チベソ・家で)」「사과를(サグァルル・りんごを)」のように続けて書くのはどうしてでしょう。それは、文の骨組みの後ろについて文法的な関係を表す「助詞」があるからです。助詞は品詞の分類上はれっきとした一つの単語ですが、単独では使えず、いつも別の言葉の後ろにぴたりとくっついています。
そこで正書法には、助詞は前の言葉にくっつけて書くという特別な例外ルールが設けられました。「나(ナ・私)+ 는(ヌン・は)」「학교(ハッキョ・学校)+ 에서(エソ・で)」のように、助詞は前の言葉のしっぽのように続けて書くのが決まりです。助詞がいくつか重なっても、「너에게만은(ノエゲマヌン・君にだけは)」のようにすべて続けて書きます。
反対に、多くの人を悩ませるのが「것(コッ・こと、もの)、수(ス・可能性やすべ)、줄(チュル・〜だと)、데(テ・ところ)、뿐(ップン・だけ)」のような「依存名詞」です。依存名詞は単独では立てず、修飾する言葉を必要としますが、名前のとおり名詞(単語)なので、原則として前の言葉とは区切って書きます。「할 수 있다(ハル ス イッタ・できる)」「먹을 만큼(モグル マンクム・食べるだけ)」「갈 곳(カル コッ・行く所)」のように、一マス空けるわけです。ただし、「3년(サムニョン・3年)」「10개(ヨルゲ・10個)」のように数字のあとに来る単位名詞は、くっつけて書くことも認められています。
もう少し正確に言うと:カメレオンのような文字たち
もう少し正確に言うと、韓国語には、見た目は同じなのに文脈によって助詞にも依存名詞にもなる単語があります。「뿐(ップン・だけ)、만큼(マンクム・ほど)、대로(テロ・のとおり)、만(マン・だけ)」といった仲間たちです。その正体を見分けるいちばん簡単なコツは、前にどんな言葉が来るかを見ることです。
前に「너(ノ・君)、나(ナ・私)、학교(ハッキョ・学校)、사과(サグァ・りんご)」のような体言(名詞や代名詞)が来たら、これらの文字は助詞になって、ぴったりくっつけて書きます。たとえば「너뿐이다(ノップニダ・君だけだ)」「실력만큼(シルリョンマンクム・実力ほど)」のように、前の言葉に続けます。一方、前に「웃을(ウスル・笑う)、먹을(モグル・食べる)、생각한(センガッカン・考えた)」のように用言の修飾語(連体形)が来たら依存名詞になるので、「웃을 뿐이다(ウスル ップニダ・笑うだけだ)」「노력한 만큼(ノリョカン マンクム・努力しただけ)」のように区切って書きます。ただし「만」は、「십 년 만에(シム ニョン マネ・十年ぶりに)」のように時間が経ったことを表すときは、体言の後ろでも依存名詞なので区切って書きます。
また、助詞ではないものの同じように紛らわしい「지(ジ)」もあります。時間の経過を表す依存名詞の「지」は「떠난 지 3년(トナン ジ サムニョン・離れて3年)」のように区切って書きますが、「갈지 안 갈지(カルジ アン カルジ・行くか行かないか)」のように語尾「-ㄹ지(-ルジ)」の一部になっている「지」は続けて書きます。複雑に見えても、このように形ではなく文の中での役割をつかめば、分かち書きのミスはぐっと減らせます。
よくある誤解
単独では使えず、ほかの言葉に寄りかかる言葉は、必ず前の言葉にくっつけて書く。
単独で使えなくても、品詞が「依存名詞」である「것(コッ・こと)、수(ス・すべ)、줄(チュル・〜だと)、데(テ・ところ)、만큼(マンクム・ほど)」などは独立した単語として扱われ、原則として前の言葉と区切って書きます。単語のうち前の言葉にくっつけて書くのは「助詞」です。
日常で出会う場面
「너뿐이야(ノップニヤ・君だけだよ)」(助詞)はくっつけて書き、「바라볼 뿐이다(パラボル ップニダ・見つめるだけだ)」(依存名詞)は区切って書きます。
「집에 간 지(チベ カン ジ・家に帰ってから)」(時間の経過)は区切って書き、「어디로 갈지(オディロ カルジ・どこへ行くか)」(語尾)はくっつけて書きます。
つまり ひとことで
各単語は区切って書き、助詞は前の言葉にくっつけ、依存名詞は修飾する言葉と区切って書く。これが韓国語の分かち書きの基本原則です。