定義
韓国で、事業者が別の事業者に物やサービスを売るときに発行する公式の取引証明書です。誰が誰に何をいくらで売ったのか、そしてその代金にかかる付加価値税(日本の消費税にあたる税)がいくらなのかが、あわせて記載されます。売った側と買った側が同じ内容を韓国国税庁に知らせるため、お互いの帳簿を照らし合わせる物差しになります。
コンビニのレシートと何が違うのでしょう?
コンビニでおにぎりを買うと、レシートをもらいますよね。あの紙は、自分がいくら払ったかを自分だけで確かめるためのメモです。そのまま捨てても、何も起こりません。
ところが、文房具店の店主が近所の会社にノートを1箱納品したとなると話が変わります。このときやり取りされる紙が税金計算書です。1枚は売った側が、1枚は買った側が持ち、同じ内容が韓国国税庁にもそのまま届きます。
そのため、記入する欄もレシートよりずっと多くなります。両方のお店の事業者登録番号、取引した日付、何をいくらで売ったのか、そして税額がいくらなのかが、欄ごとに分けて入ります。
同じ内容を3か所が分け合って持つという点が、レシートといちばん違うところです。片方が金額を少なく書いても、反対側の書類と食い違うので、すぐに見つかってしまいます。
なぜわざわざこの紙をやり取りするのでしょう?
私たちが物を買うときに払う代金には、付加価値税が含まれています。商品の価格にかかる税金で、負担するのは買う人ですが、売るお店が代わりに集めて国に納めます。
文房具店がノートを110万ウォン(約11万円)で売ったとしましょう。このうち商品代金が100万ウォンで、税金が10万ウォンです。文房具店はこの税金をいったん預かっておいて、国に渡します。
ノートを買った側も事業者なら、話はつながっていきます。自分がお客さんから受け取った付加価値税から、ノートを買ったときにすでに払った税金の分を差し引いて、残りだけを納めればいいのです。これを仕入税額控除と呼びます。
ただし、差し引いてほしいと言うには、すでに払ったという証拠が必要です。その証拠の役目をする紙が税金計算書です。税金計算書を受け取っておかないと、すでに払った税金を差し引きにくくなるので、事業者は取引のたびにきちんと確保しているのです。
もう少し正確に言うと
すべての取引で税金計算書がやり取りされるわけではありません。コンビニのように個人のお客さんを相手にするお店は、お客さんごとにこの書類を発行しません。代わりに、現金領収書(現金レシート)やカードの利用明細が、同じ証拠の役目を果たしてくれます。
売る側がどんな事業者なのかも確認が必要です。規模が小さくて韓国の「簡易課税者」(小規模事業者向けの区分で、日本の簡易課税制度とは別の仕組み)として登録しているお店は、税金計算書を発行できない場合があります。そのため、事業者どうしは取引を始める前に、相手がどの区分なのかをあらかじめ確かめておきます。
最近は紙ではなく、電子税金計算書でやり取りするのがほとんどです。画面で発行ボタンを押すと相手に届き、同じ内容が韓国国税庁側にも渡ります。
紙が画面に変わっただけで、骨組みは変わりません。同じ内容を売った側と買った側と国税庁が一緒に見るという点が、この書類の力です。
よくある誤解
税金計算書を受け取ると、買った人の税金が増える。
すでに払った付加価値税を証明する書類なので、むしろ逆です。事業者はこの書類があってはじめて、すでに払った税金の分を差し引いて納められるので、納める税金は減ります。
領収書さえきちんと取っておけば、税金計算書はなくてもいい。
手書きの簡易領収書のような一般の領収書は、付加価値税が別に記載されず、韓国国税庁にも伝わりません。事業者どうしの取引では、税金計算書や支出証憑用の現金領収書、事業用カードの伝票のように、韓国国税庁も一緒に見られる証拠書類が必要です。
日常で出会う場面
カフェのオーナーが卸売店でコーヒー豆を買い、代金を払ったあとに税金計算書を受け取っておく場合です。
会社でノートパソコンを買うとき、担当者が会社名と事業者登録番号を伝えて、税金計算書の発行を頼む場合です。
つまり ひとことで
事業者どうしが何をいくらで取引し、税金がいくらなのかを、売った側と買った側が一緒に証明する書類です。