定義
アドウェア(Adware)は、パソコンやスマートフォンの画面に、望んでいない広告を勝手に表示するプログラムです。無料ソフトにこっそり紛れ込んでインストールされ、ネットの検索結果を勝手に書き換えたり、端末の動作を遅くしたりすることもあります。
無料プログラムの陰に隠れた招かれざる客
駅前で無料のポケットティッシュを受け取ったら、中から広告チラシがどっさり出てきた。そんな場面を思い浮かべてみてください。アドウェアも似た手口で、私たちのパソコンやスマートフォンに入り込みます。便利な無料ツールや簡単なゲームをインストールするとき、ユーザーが気づかないうちに、そっと一緒にインストールされるのです。
インストールが終わると、ブラウザのあちこちに広告のポップアップがひっきりなしに現れます。ブラウザをすべて閉じていても、デスクトップのど真ん中に広告ウィンドウが突然飛び出してきて、作業の邪魔をします。
こうして手当たりしだいに広告を表示し、ユーザーのクリックを誘って広告収入を得ることが、アドウェアの主な目的です。見たくもない画面を無理やり見せられて、大きなストレスになります。
さらに、ユーザーがどんな言葉を検索しているかを観察し、関連する商品の広告を出すこともあります。このように、こっそり入り込んで利益を狙うのが、アドウェアの代表的な手口です。
もう少し正確に言うと、合法と悪質の境目
広告を表示するプログラムが、すべて悪質なマルウェアとされるわけではありません。無料でスマホアプリを使わせてもらう代わりに、画面の下のほうにおとなしくバナー広告を出す正規のプログラムも、広い意味では広告支援型ソフトウェアに入るからです。
ただ、ユーザーのはっきりした同意なしにこっそりインストールされたり、コントロールパネルからどう消そうとしても削除できなかったりするなら、話はまったく変わります。ブラウザのホームページを見知らぬショッピングサイトに勝手に固定したり、閲覧履歴をこっそりのぞいたりすると、セキュリティソフトはPUP(望ましくない可能性のあるプログラム)や悪質なソフトウェアに分類し、ブロックの対象にします。どちらに分類するかは、セキュリティ会社ごとに基準が少しずつ違います。
アドウェアがバックグラウンド(目に見えない裏側)で広告データをひたすらダウンロードし続けると、端末の性能にも大きな負担がかかります。パソコンの頭脳であるCPUとメモリを、むだに占有してしまうからです。
その結果、ネットの速度がはっきり遅くなったり、ノートパソコンやスマートフォンのバッテリーが急に減ったりする被害まで出ることがあります。
広告攻めを避けて、きれいに消す方法
パソコンの場合、アドウェアは主に、出どころのはっきりしない無料プログラムをウェブサイトからダウンロードしたときに一緒に入ってきます。スマートフォンでは、公式のアプリストアに並んでいるゲームやユーティリティアプリの中に隠れていて、あとになって見つかることもあります。無料プログラムをインストールするとき、「簡単インストール」や「推奨インストール」を何も考えずに選ぶと、アドウェアがセットで入ってしまいがちです。
そこで、インストールの途中では必ず「カスタムインストール」を選びましょう。そして、隠れている提携プログラムの追加チェックボックスをしっかり外すことで、広告プログラムの侵入を事前に防げます。
すでにアドウェアに感染して画面が広告だらけになっている場合、通常のアンインストール機能だけでは、完全に解決しないことが多いです。アドウェアはシステムの奥深くに、残りカスのファイルを隠しているからです。
そんなときは、信頼できるマルウェア対策の専用ツールを使って、詳しくスキャンしましょう。隠れた残りカスのファイルやレジストリ(設定情報)までしっかり掃除してはじめて、端末は本来の快適な速度を取り戻せます。
よくある誤解
アドウェアは広告を表示するだけで、端末の性能やセキュリティには何の害もない。
広告をダウンロードし続けるせいで、端末の速度やバッテリーの寿命をすり減らします。ひどい場合は、ユーザーの検索履歴や個人情報をこっそり外部に送ってしまうこともあります。
日常で出会う場面
無料のファイル変換ソフトを入れてから、ブラウザを開くたびにショッピングサイトの広告ポップアップがいくつも出るようになるケースです。
ポータルサイトで検索ワードを入力したのに、本来の結果ではなく、見知らぬスポンサー広告のサイトへ強制的に飛ばされる現象です。
つまり ひとことで
アドウェアは、無料プログラムに紛れ込み、望まない広告を表示して端末の性能を落とすソフトウェアです。