定義
等高線とは、海の平均水面を基準にして、高さが同じ地点をひとつにつないだ仮想の線です。平らな紙や画面の上で、山の高さや斜面の急なところ、谷の形といった立体的な地形がひと目で分かるようになります。
3次元の山を2次元の紙に収めるコツ
粘土で作った円すい形の山を、一定の厚さで横にうすく切って、真上から見下ろしたと想像してみてください。切った断面の輪郭を順番に紙へ描いていくと、大きさの違う丸い輪が重なった形になります。これが等高線の基本的な仕組みです。
等高線でいちばん大切な情報は、線と線の間の距離です。切り立った崖のように傾斜が急なところは、せまい水平距離のあいだに高さがぐんぐん上がるので、等高線の間隔がとても詰まって表れます。
反対に、野原やなだらかな丘のように斜面が平らなところは、高さがゆっくり変わるので線と線の距離が広くなります。つまり、地図に描かれた線の混み具合を見るだけで、歩くのがきついか楽かを前もって予想できるわけです。
尾根と谷、どう見分ける?
等高線は、山がどれくらい急かだけでなく、でこぼこした骨組みがどう伸びているかも教えてくれます。地図をよく見ると、等高線は丸い形につながるだけでなく、ジグザグやV字を描いて曲がりくねっているところがあります。
曲がった先のとがった部分が山頂のほう、つまり高いほうへ食い込んでいたら、そこは水が流れる谷(沢)です。雨水は等高線と直角に交わりながら、高いところから低いところへ集まってくるからです。
反対に、曲がった先が低いほうへ長く張り出していたら、両側より盛り上がっていて歩きやすい尾根(稜線)を表しています。だから等高線を読めば、水が集まる谷と、周りより盛り上がった尾根を、地図の上で前もって見分けられます。
もう少し正確に言うと:主曲線と計曲線
地図を広げてみると、すべての等高線が同じ太さで描かれているわけではありません。細い線の間に一定の間隔で太くて濃い線が入っていて、その線の上に「100」「200」のような数字が書かれているのが分かります。
いちばん基本となる細い線を「主曲線」と呼び、高さを読み取りやすいように5本ごとに1本ずつ太く強調した線を計曲線と呼びます。高さを数えるための線という意味なので、谷とは関係ありません。もし太い線がなかったら、複雑な線を1本ずつ指で数えながら高さを計算しなければならなかったでしょう。
もう少し正確に言うと、等高線1本分が表す実際の高さは、地図の縮尺(縮めた割合)によって変わります。5万分の1の地図では細い線1本が20メートルの高さを表しますが、2万5千分の1の地図では10メートルごとに線を1本ずつ引いて、地形をずっと細かく表現します。
よくある誤解
等高線は実際の地面の上に引かれている線である。
等高線は、地形の高低を地図の上に表すために決めた「仮想の線」です。実際の山や野原の上には、線など1本も引かれていません。
等高線は、地形が複雑ならお互いにX字に交差することがある。
ひとつの地点が同時にふたつの違う高さを持つことはできないので、等高線どうしは原則として交差しません。垂直な崖では等高線が重なり、上側が張り出した崖(オーバーハング)では例外的に交差することがあります。
日常で出会う場面
登山道の地図を見ながら、等高線がぎっしり詰まった険しいコースを避けて、なだらかな道を選びます。
天気予報で、気圧が同じところをつないで風の流れを見せてくれる「等圧線」も、等高線とまったく同じ原理です。
つまり ひとことで
等高線は高さが同じ場所をつないだ仮想の線で、間隔がせまいほど急、広いほどなだらかです。