定義
サマータイム(夏時間)は、日の出が早まり昼の時間が長くなる春から秋にかけて、時計を1時間進めて生活する制度です。夕方の明るい時間を長くすることで、太陽の光を有効に活用し、省エネルギーを図る目的で作られました。
なぜわざわざ時計の針を動かすの?
夏になると、冬に比べて朝早くから太陽が昇ります。私たちがまだぐっすり眠っている早朝の5時でも、窓の外はすでに昼間のように明るくなっていますよね。せっかく早く届いた太陽の光を、ただ眠って過ごしてしまうのは少しもったいない気もします。
そこで春になると、国全体で時計の針を1時間進めるという約束をします。もともと6時だった時間を7時に変えてしまうのです。こうすると、人々はいつもと同じ時刻に起きている感覚のまま、実際には1時間早く1日をスタートさせることになります。
そのおかげで、仕事や学校が終わった後でも外はまだ明るいままです。日が長くなった分、夕方に照明をつける時間が減り、明るい夕方にアウトドアや趣味の時間を楽しむのにもぴったりです。
もう少し詳しく言うと:省エネと疲労のジレンマ
もう少し詳しく言うと、この制度はもともと第1次世界大戦のころ、石炭や石油などの資源を節約するために始まりました。夕方にロウソクや電灯をつける時間を減らせば、国全体のエネルギーを大きく節約できると考えられたからです。
しかし、現代社会になって状況は大きく変わりました。日が落ちるのが遅い夕方の時間帯に、エアコンの使用量がむしろ増えてしまう問題が生じたのです。照明で節約できる電気よりも冷房で使う電気のほうが多くなり、実質的な省エネ効果はあまり期待できないという研究も増えています。
また、人間の体内時計が乱れてしまう副作用も無視できません。時計が突然1時間早くなると、私たちの体はまるで時差ボケになったかのように強い疲労を感じます。実際、サマータイムが始まる週には、睡眠不足などが原因で交通事故や心筋梗塞のリスクが一時的に上昇するという統計もあります。
なぜ世界各地で廃止論争が起きているの?
赤道に近い国々では、1年を通じて昼と夜の長さがほとんど変わらないため、サマータイムを導入する理由がありません。一方で、緯度が高いヨーロッパや北米地域は夏と冬の昼の長さの差が非常に大きいため、長い間この制度を維持してきました。
しかし、年に2回も時間を切り替えるたびに大きな混乱が生じます。航空機のダイヤが乱れたり、ITシステムにエラーが発生したりすることもあります。世界中の金融市場や交通網を管理する立場からすると、毎回時間を合わせること自体が莫大なコストになるのです。
こうした理由から、欧州連合(EU)では2019年に欧州議会がサマータイム廃止案を可決したものの、加盟国間の調整がつかず、まだ結論は出ていません。アメリカでも時間を戻さず通年に固定しようという議論が続いています。なお、韓国でもかつてソウル五輪の時期などに導入されましたが、混乱が大きく廃止されました(日本でも戦後の一時期に導入されたもののすぐに廃止されています)。
よくある誤解
サマータイムは世界中のすべての国で同じように実施されている。
季節ごとの昼の長さの変化が大きい中・高緯度の国を中心に実施されています。赤道付近の国や、日本、韓国などでは現在導入されていません。
日常で出会う場面
アメリカやヨーロッパでは、毎年3月に時計を1時間進め、秋(ヨーロッパは10月下旬、アメリカは11月上旬)に再び1時間戻します。
スマートフォンの時計は、サマータイムの開始日になると手動で合わせなくても自動的に1時間進みます。
つまり ひとことで
夏の長い日照時間を有効に使うため、時計の針を1時間早め、秋に元の時間へ戻す制度です。