定義
結婚した夫婦が共働きをしながら、子どもを持たないと話し合って決め、そのように暮らす生き方のことです。「共働きで収入は2倍(Double Income)、でも子どもはいない(No Kids)」という英語の頭文字を取ってできた言葉です。
なぜディンクスという選択をするの?
旅行の荷物を身軽にまとめれば、予定にしばられず、行きたい場所へふらりと出かけられます。ディンクスの夫婦も同じです。子育てという大きな責任の代わりに、ふたりの呼吸とふたりの成長にしっかり向き合おうと心を合わせた家族なのです。
仕事のキャリアをこつこつ積み重ねたり、ふたりの趣味や余暇をじっくり楽しんだりすることが、暮らしの中心にあります。子どもを育てるための教育費や住居費の負担を減らし、夫婦の自己実現と今の幸せをいちばん大切な価値と考える生き方です。
昔は「結婚したら子どもを持つのが当たり前」という考えが主流でしたが、今は意識がずいぶん変わりました。周りの目や慣習に合わせるより、自分が望む暮らしのかたちを自分で選び、つくっていく文化が根づいてきた結果です。
もう少し正確にいうと
ディンクスは、単に子どもが嫌いだったり、育児を無責任に避けたりする態度とは違います。むしろ、子どもを産んで責任をもって育てることがどれほどの手間と心を求められるかをよく知っているからこそ出した、計画的で慎重な決断に近いものです。
また、子どもを心から望んでいるのに、健康や環境のために持てない状況とも、はっきり区別されます。ふたりが十分に話し合い、納得したうえで、子どもを持たない人生を自分から選んだ夫婦だけを指します。
最近は、子どもの代わりにペットを家族として迎え、大切に世話をする韓国でディンペット族と呼ばれる形のように、かたちがさらに広がっています。親になる道のほかにも、人生の意味やあたたかな愛情を分かち合える道がずっと多様になったことがうかがえます。
社会にどんな変化をもたらすの?
ディンクスの登場は、都市の住まいや消費のあり方を変えつつあります。学区や広い間取りにこだわるより、通勤に便利な都心のコンパクトな住宅や、文化施設が近い場所を好む傾向があるという分析があります。家電やインテリアも、夫婦ふたりの好みにぴったり合わせて整えられます。
市場でも、彼らに向けたオーダーメイドの旅行プラン、少量サイズの高級食品、本格的な趣味のレッスンといったサービスが目立ちます。家計から育児費が抜けた分、ふたりの余暇や自己啓発にお金を使う新しい消費のエコシステムが生まれたのです。
同時に、この現象は少子化と結びついて、社会に深い問いを投げかけています。残業の多い職場文化や高い住居費といった負担が、ディンクスを選ぶことに影響したという調査もあり、仕事と家庭が両立できる環境をつくるべきだという声が大きくなっています。
よくある誤解
ディンクスは子どもが嫌いな、自己中心的な人たちだ。
子どもが嫌いだからというより、子育ての重い責任を真剣に考え、夫婦の人生観にもとづいて慎重に出した合意であることが多いのです。
日常で出会う場面
結婚後も共働きを続け、毎週末のようにふたりだけで海外旅行やキャンプを楽しむ夫婦の暮らしぶりです。
子どもの教育費の代わりに、夫婦それぞれの大学院進学や専門資格の取得に力を注ぐ家族のかたちです。
つまり ひとことで
ディンクスとは、夫婦で話し合って子どもを持たず、共働きでふたりだけの人生と幸せに集中する生き方です。