定義
配当落ちとは、その日から株を買っても今回の配当金を受け取る権利がなくなることをいいます。そのため配当落ち日には、理論上は配当金の価値の分だけ安くなった価格で取引が始まる傾向があります。「配当をもらう権利が落ちた」という意味が込められています。
リンゴを収穫した木は、なぜ値段が下がるのでしょう?
リンゴがたわわに実ったリンゴの木を、誰かに売るところを想像してみてください。木そのものの価値に加えて、ぶら下がっているリンゴの代金まで上乗せして、高く売れるはずです。
ところが、持ち主がリンゴを全部カゴに収穫して持ち帰り、枝だけになった木を市場に出したらどうでしょう? 収穫したばかりのリンゴの代金の分だけ木の値段を引くのが自然ですよね。
株式市場でも同じことが起こります。会社が1年間がんばって稼いだお金を、株主に「配当金(ボーナス)」として分けると約束しました。この配当金をもらえる最終日が過ぎると、翌日から株を買う人は今回の配当金をもらえません。だから株価は、もらえなくなった配当金の分の価値がすっと抜けた状態で取引が始まるのです。
会社の金庫が軽くなったからです
「なぜ株価が下がった状態で始まるの?」と、納得がいかない方もいます。でも、会社の立場から考えると、ごく当たり前で自然な計算です。
会社が株主に現金で配当を払うには、結局、会社の口座にためておいた現金を外に出して渡さなければなりません。たとえば現金100億ウォンを持つ会社が株主に10億ウォンを配当として払うと、会社の金庫には90億ウォンしか残りません。
会社の財産そのものが減ったのですから、その持ち分である株1株の価値も減るのが筋です。つまり配当落ちは、誰かに損をさせるための罰ではなく、お金が会社から株主の口座へ移った現実を、株価に正直に反映する過程なのです。
もう少し正確にいうと
配当落ち日に株価が下がるのは、取引所が無理やり価格を引き下げているからではありません。韓国では現金配当の場合、取引所が個別銘柄の始値を強制的に下げることはなく、前日の終値をそのまま基準価格にします。
代わりに、配当をもらう権利がなくなったことを知っている大勢の投資家が、寄り付き前に注文を出すことで、配当金の価値の分だけ低くなった始値が市場の中でひとりでにできあがるのです。もし1万ウォンの株が1,000ウォンの配当を出すなら、投資家は配当が抜けた9,000ウォン前後に買い注文を出す、という具合です。
ちなみに取引所は、株価指数が配当のせいで錯覚を起こさないように、「理論配当落ち指数」を計算して、投資家に参考指標として示しています。実際の個別銘柄の株価は、取引が始まった直後から、市場の投資心理や今後の業績見通しによって活発に上がったり下がったりします。
よくある誤解
配当落ち日に株価が下がったら、株主は必ず損をする。
株価は下がっても、その分の配当金を口座で受け取れるので、理論上、株主の資産全体の価値(株の価値+配当金)は配当落ちの直前とほぼ同じです。ただし配当金からは税金が引かれますし、その日の株価は市場の状況によってさらに上がることも下がることもあります。
日常で出会う場面
配当基準日を12月31日にしている12月決算の会社なら、配当をもらえる最後の買付日の翌日(配当落ち日)に、株価が予想配当金の分だけ低い状態で始まる傾向があります。最近は、配当基準日を翌年の2〜3月に別に定める会社も多いです。
1株5万ウォンの株が2,000ウォンの配当金を出すことになっていたら、配当落ち日の朝、投資家の注文によって株価は4万8,000ウォン前後で始まります。
つまり ひとことで
配当金をもらう権利がなくなった分だけ、市場で株価が自然に下がり、会社の価値と実際の権利が一致する現象です。