定義
木星型惑星とは、地球のように足を踏みしめられる硬い岩石の表面がなく、水素やヘリウムといった軽いガスや氷の物質が厚く取り巻いている巨大な惑星のことです。太陽系の外側にある木星、土星、天王星、海王星がこれにあたり、地球よりはるかに大きく、たくさんの衛星と環を持っています。
足を踏み出せる地面がない巨大な惑星
硬い土と岩でできた地球と違って、木星型惑星は巨大な空気の泡に近い存在です。もし宇宙船で木星型惑星に着陸しようとしても、地面にぶつかって降り立つことはできません。濃い雲の中へ、どこまでも吸い込まれていきます。私たちが踏みしめられる硬い岩石の地表が存在しないからです。
太陽系が生まれたころ、太陽から遠く離れた冷たい場所では、水やガスが凍りついて大きな塊をつくることができました。この塊が強い重力で周りの水素やヘリウムのガスをぐんぐん引き寄せ、巨大な惑星へと育っていきました。
その結果、木星型惑星は半径が地球の約4倍から11倍もあり、質量も圧倒的に重くなりました。さらに強い重力のおかげで、十数個から数百個もの衛星を従え、氷と塵でできた美しい環を持つようになりました。
雲の奥深くへ進むとどうなるのでしょう?
ガスでできているからといって、わたあめのように軽くて中身がスカスカというわけではありません。宇宙船が木星の大気の奥深くへ降りていくほど、上に積み重なったガスの重さで、圧力も温度も想像を絶するほど跳ね上がります。
深い場所では、すさまじい圧力のせいでガスだった水素が押し縮められ、だんだん液体に近い状態へ変わっていきます。ガスと液体のあいだにはっきりした境目があるわけではありません。さらに奥へ進むと、水素原子の電子が自由に動き回るようになり、金属のように電気を通す液体金属水素の層が現れます。
惑星のいちばん深い中心部には、岩石や氷のような重い成分が集まった核があると考えられています。ただし、探査機ジュノーの観測によると、木星の核ははっきりした境界を持つ硬い塊というより、重い成分が水素と混ざって広がった「希薄な核」に近いようです。中心部は数万度の熱と数千万気圧もの圧力に押しつぶされています。
もう少し正確にいうと: ガス惑星と氷惑星
かつては4つの惑星をまとめて木星型惑星と呼んでいましたが、現代の天文学では、構成する成分によって二つに分けて考えます。
木星と土星は、ほとんどが水素とヘリウムでできているので「巨大ガス惑星」と呼ばれます。一方、天王星と海王星は水素とヘリウムの割合が比較的低く、水やアンモニア、メタンといった「氷」の成分が多く集まってできています。今ではこれらの成分は、惑星の内部で熱くて濃い流体の状態になっていると考えられています。そのため、この二つは巨大氷惑星として別に区分されます。
大気の見た目こそ、色も縞模様もそれぞれ違いますが、どちらのタイプも硬い地面がなく、厚い大気層と環を持っているという点で、地球とはまったく違う世界なのです。
よくある誤解
木星型惑星はガスだけでできているので、宇宙船は反対側までスッと通り抜けられる。
内部へ進むほど、すさまじい重力と気圧のせいでガスは液体や金属の形でぎっしり詰まっています。宇宙船は通り抜けるどころか、あっという間に巨大な圧力と熱でつぶれ、溶けてしまいます。
日常で出会う場面
木星の「大赤斑」は、地球より大きな巨大な渦巻きの嵐です。
土星の大きく明るい環は、無数の氷のかけらや岩石の塵が集まってできています。
つまり ひとことで
硬い地表の代わりに、巨大なガスと氷の大気に包まれ、内部に高温高圧の核を抱えた巨大な惑星です。