定義
ガリレオ衛星とは、1610年にガリレオ・ガリレイが望遠鏡で発見した木星の代表的な4つの衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)のことです。太陽系の衛星の中でも指折りの大きさで、地動説を裏づける重要な証拠となり、今では地球外生命を探す有力な候補地にもなっています。
宇宙観をひっくり返した4つの小さな点
真っ暗な夜空にレンズを向けると、巨大な木星のそばに、ちっちゃな星がちょこんと一列に並んでいました。1610年、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは、自分で改良した望遠鏡で木星を観察していて、とても不思議な光景を目にします。
毎晩木星を見直すたびに、その小さな点の位置が左右に少しずつ入れ替わっていたのです。最初は背景の星だろうと思われましたが、実は木星のまわりを一定の周期で回る木星の月(衛星)だったのです。その主役がイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。
この発見は、当時の人々に大きな衝撃を与えました。それまで人々は、宇宙のすべての天体は地球だけを中心に回っているという「天動説」を固く信じていたからです。ところが、地球ではない別の惑星のまわりを回る天体が実際に確認されたことで、地球は宇宙の中心ではないという地動説が一気に力を得ました。
個性あふれる4姉妹
ガリレオ衛星は、望遠鏡の中で光るただの点ではありません。それぞれまったく違う環境を抱えています。木星にいちばん近いイオは、数百もの火山がぐつぐつと煮えたぎる太陽系でもっとも火山活動が活発な天体です。表面のあちこちから溶岩や硫黄が噴き出し、まるで地獄の炎のような姿をしています。
次のエウロパは、表面全体がなめらかな氷の殻でおおわれています。その氷の下には、地球全体の海よりもはるかに多い液体の海が波打っていると考えられていて、地球外生命がいるかもしれない有力な候補とされています。
3番目のガニメデは太陽系で最大の衛星で、惑星の水星よりも大きいほどです。なんと独自の磁場まで持っています。いちばん外側のカリストには、数えきれないほどの隕石の穴がびっしり残っていて、太陽系の初期の長い歴史をそのまま刻んでいます。こうしてきわめて個性的な4つの天体が、木星のそばに集まっているのです。
もう少し正確にいうと:潮汐力と地下の海
もう少し正確にいうと、太陽の光がほとんど届かない、氷点下100度を超える寒い木星のあたりで、なぜ火山が噴火し、海が凍らずにいられるのでしょうか。そのカギは、木星と隣り合う衛星たちが互いに引っ張り合う大きな重力、つまり潮汐加熱にあります。
木星の強い重力と周りの衛星の重力が入り乱れて、衛星の内部はまるでゴムボールのようにぎゅっと縮んだりゆるんだりをくり返します。このとき岩石の層のあいだに強い摩擦熱が生まれます。この摩擦熱がイオの岩を溶かしてマグマとして噴き出させ、エウロパの氷の下の海が凍りつかないよう温め続けているのです。
つまりガリレオ衛星は、地動説を支えた過去の歴史的発見にとどまりません。太陽の熱が足りない遠い宇宙にも、生命が暮らせる環境があるかもしれない。そんな新しい生命居住可能領域の可能性を、今の人類に示してくれています。
よくある誤解
ガリレオ衛星は、人類が歴史上はじめて発見した衛星である。
地球の月は、人類が先史時代から知っていました。ガリレオ衛星は、「地球ではない別の惑星のまわりを回る衛星」を初めて発見した例です。
日常で出会う場面
木星探査機ジュノーやガリレオ探査機が撮影した写真から、エウロパの氷の裂け目やイオの火山噴火がはっきりと確認できました。
小さな天体望遠鏡や性能のよい双眼鏡があれば、街なかの夜空でも、木星のそばに並ぶ4つのガリレオ衛星を自分の目で観察できます。
つまり ひとことで
ガリレオ衛星は木星を回る4つの大きな月で、地動説を裏づける重要な証拠となり、地下の海を抱えることから地球外生命探査のカギとして注目されています。