相続税と贈与税

「財産」というバトンを家族へ渡すとき、渡すタイミングによって名前が変わる税金の通行料のようなものです。

定義 相続税と贈与税は、見返り(対価)を受け取らずに誰かへ財産を無償で渡すとき、国に納める税金です。財産を渡す人が亡くなった後に引き継がれると「相続税」、生きているうちに渡すと「贈与税」がかかります。富の世襲による過度な格差を抑え、公平に課税するために設けられています。

生きているうちに渡せば「贈与税」、亡くなった後に遺せば「相続税」

親が築いた自宅や預金を子どもへ引き渡す場面を想像してみてください。あげる側も受け取る側も生きている間に無償で財産を渡すことを生前の贈与と呼びます。

反対に、財産を持っていた人が亡くなり、家族へ財産が自然に引き継がれることを死後の相続と言います。どちらも無償で富が移動する点は同じですが、「いつ財産が渡ったのか」という決定的なタイミングの違いがあります。

韓国の税制では、どちらの税金も財産の価値が大きくなるほど税率が高くなる累進課税の仕組みをとっています。財産が多いほど、10%から最大50%まで税率が段階的に上がっていきます。

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税金の計算方法と控除制度が違います

相続税と贈与税は、課税する基準となる計算方式から大きく異なります。韓国の相続税は、故人が遺した財産の総額(塊)を基準にまず税金を計算し、残った財産を相続人たちで分け合います。これを「遺産税方式」と呼びます。

一方、贈与税はプレゼントを受け取る人それぞれの取り分を基準に個別に税金を計算します。この方式を「遺産取得税方式」と言います。受け取る人が複数に分かれるほど、細分化された金額に低い税率が適用されるため、税金の負担が軽くなる仕組みです。

また国は、残された家族の生活の安定を守るため、一定額まで税金を免除する控除制度を設けています。韓国の相続では、配偶者と子どもがいる場合、通常最低でも約10億ウォン(約1億1000万円)程度まで手厚く控除されますが、贈与の場合は10年間で成人した子どもの場合5000万ウォン(約550万円)までしか控除されません。

もう少し詳しく:なぜ「10年合算ルール」があるの?

もし相続税の負担が重すぎるなら、誰しも亡くなる直前に慌てて財産を細かく分け、子どもへ前もって渡したくなるはずです。税法ではこうした抜け道を塞ぐため、10年の生前贈与合算ルールを設けています。

亡くなる前10年以内に相続人である家族へ生前贈与された財産は、すべて相続時の遺産総額に再び合算して相続税を計算し直します。すでに納めた贈与税分は差し引かれますが、低い税率で分割して課税逃れをしようとする計画は通用しない仕組みになっています。

結局のところ、家族間で計画的に財産を引き継ぐには、直前にまとめて渡すのではなく、10年単位の長期的な視点を持って早くから少しずつ贈与していくことが賢い節税策となります。

相続税10年生前贈与加算図 10年前基準 10年超の贈与 加算除外 10年以内の贈与 相続税に加算 相続時点

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

親から遺産を受け継いだら、誰もが高額な相続税を払わなければならない。

✓ 事実

相続税には手厚い基礎控除(韓国では配偶者と子がいる場合、通常約10億ウォン)があります。そのため、遺産総額が控除額を超えない一般的な家庭の多くは、相続税を1ウォンも払う必要がありません。

🧺 日常で出会う場面

1 親が結婚を控えた成人の子どもへチョンセ(韓国特有の保証金賃貸)の資金として1億ウォンを支援する場合、10年の控除限度額である5000万ウォンを超えた残りの5000万ウォンに対して贈与税を申告します。
2 親が亡くなり、遺されたマンションや預金を相続する際、遺産総額から相続控除を差し引いた後の金額に対して相続税を納税します。
💡 つまり ひとことで

生きているうちに渡せば「贈与税」、亡くなった後に遺せば「相続税」となり、渡すタイミングや控除枠によって税金の計算方法が異なります。