定義
日光がある面に当たると、一部は跳ね返され、残りは吸収されて熱に変わります。このとき跳ね返される光の割合をアルベドと呼びます。白い氷のような明るい面が減り、濃い色の海や地面が広がると、地球が吸収する日光は増えます。そうして地球がいっそう速く暖まっていく流れをアルベド効果といいます。
黒いTシャツと白いTシャツ
真夏のグラウンドで黒いTシャツを着たことはありますか。同じ場所に立っていても、白いTシャツの友だちよりずっと熱くなります。頭の上に降り注ぐ日光の量は、どちらも同じはずなのにです。
違いは、服が光をどう扱うかにあります。白い服は当たった光の多くを跳ね返して外へ逃がします。黒い服はその光を受け取って熱に変えます。こうして跳ね返される光の割合をアルベドと呼びます。
白い服はアルベドが高く、黒い服は低い。アルベドが高いほど、同じ日光を浴びても表面は暖まりにくいわけです。服の色を変えるだけで体感温度が変わるのは、そのためです。
地球も場所ごとに違う色の服を着ています。真っ白に覆われた雪と氷は白いTシャツに近く、濃い色の海や森、都市のアスファルトは黒いTシャツに近いのです。
白い服が脱げると起きること
地球が少し暖まると、極地方の氷は端から溶けていきます。氷が消えた場所には、その下にあった濃い色の海や地肌が現れます。地球が白いTシャツを脱いで、黒いTシャツを引っぱり出して着るようなものです。
新しく現れた濃い面は、日光をより多く受け取ります。そこが暖まれば、となりに残っていた氷も溶けやすくなります。氷がさらに溶ければ、濃い面はまた広がります。
こうして結果が原因のほうへ戻っていく輪をフィードバックと呼びます。なかでも変化をさらに大きくする向きに回るものを、正のフィードバックといいます。アルベド効果が怖いのもここです。いったん始まると自分で加速していく輪になってしまうからです。
北極地方が地球のほかの場所より目立って速く暖まっていることにも、この輪が一役買っていると知られています。
もう少し詳しく言うと
明るさだけですべてが決まるわけではありません。雲は白いので日光をよく跳ね返しますが、同時に地球が外へ出す熱を捕まえておく働きもします。だから雲が増えたとき地球が涼しくなるのか暖かくなるのかは、一言では言い切れません。
輪が一方向にしか回らないわけでもありません。逆に気温が下がれば雪と氷が広がり、跳ね返される光が増えて気温はさらに下がります。とても寒い時期が長く続いたときも、同じ輪が反対向きに回ったものと考えられています。
ですからアルベドは、地球を暖めたり冷やしたりする装置というより、変化を大きくする増幅器に近い存在です。白いTシャツ一枚で夏の暑さがすべて説明できないように、アルベドも気候を動かす数ある要因のひとつなのです。
よくある誤解
アルベド効果は氷河が溶けるときにだけ現れる現象だ。
跳ね返す割合はどんな表面もそれぞれ持っています。明るい砂漠、黒いアスファルト、森、雲も、それぞれ違うアルベドを持っています。
アルベド効果は温室効果の言いかえだ。
温室効果は、地球が外へ出す熱を大気が捕まえておく話です。アルベドは入ってくる日光をどれだけ跳ね返すかの話なので、扱っている関所がそもそも違います。
日常で出会う場面
真夏に黒いアスファルトの駐車場がすぐ隣の芝生よりずっと熱いのも、跳ね返す光が少ないからです。
暑い地方で屋根や壁を白く塗って室内の温度を下げるのも、同じ性質を利用したやり方です。
つまり ひとことで
明るい面が減って濃い面が広がるほど地球は日光をより多く吸収し、変化が自分で加速していくようになる輪です。