科学

氷河時代

地球が分厚い氷のコートをまとい、何万年ものあいだ冷たい季節を過ごす時期です。

  • 約3分
  • 図 1点
  • 2026-10-17 検証

定義

地球全体の平均気温が長いあいだ大きく下がり、極地だけでなく大陸の広い範囲が分厚い氷のかたまり(氷河)に覆われる時期のことです。数百万年にわたって続き、とても寒い氷期と、比較的あたたかい間氷期が交互に訪れます。

冷たい氷が引き起こすドミノ現象

真冬に雪がどっさり降って、町じゅうが真っ白になった日を思い出してみてください。日光が雪に当たるとまぶしいほど光がはね返され、まわりの空気がいっそう冷え込むように感じますよね。地球全体でも、これと同じことが起こります。

地球の気温が少し下がって雪や氷が広く積もりはじめると、白い雪原が鏡のように日光を宇宙へはね返してしまいます。これを科学では反射率(アルベド)効果と呼びます。日光をはね返すので地球はさらに冷え、冷えるほど氷がさらに広がる、冷たいドミノ現象が起こるのです。

この流れが続くと、海から蒸発した水が雪となって大陸に巨大な氷河として積み重なり、海に戻れなくなった水の分だけ、海の水面(海面)が100メートル以上も下がります。海の底が陸地として現れ、大陸と大陸が陸の道でつながり、マンモスのような大きな毛むくじゃらの動物たちがその道を通って大陸間を移動しました。

もう少し正確に言うと:今も氷河時代です

もう少し正確に言うと、科学者たちは、両極に氷が残っている今この瞬間も、広い意味での氷河時代と呼んでいます。氷河時代の中では、とても寒い「氷期」と、比較的おだやかに氷がとける「間氷期」が、振り子のように交互に訪れるからです。

マンモスが生きていた約2万年前は、最後の氷期の中でも氷がもっとも広く広がった、極めて寒い時期でした。そして今、人類が暮らしている時代は氷が一時的に後退した間氷期です。地球の歴史全体で見ると、南極と北極に氷がまったくない温暖な時期のほうがずっと長かったので、極地に巨大な氷が残っている今も、氷河時代のまっただ中を通っていることになります。

こうしたリズムを生む最大の原因は、地球が太陽のまわりを回る軌道の形や、自転軸の傾きが周期的に変わることです。この壮大な宇宙の軌道変化を発見した学者の名前にちなんで、ミランコビッチ・サイクルと呼びます。

凍りついた地球は、どうやって再びあたたまるのでしょうか?

寒い氷期が終わってあたたかい間氷期が訪れる引き金は、地球の軌道の変化にあります。自転軸の傾きや公転軌道が周期的に変わることで、北半球の高緯度地域に降りそそぐ夏の日差しの量が増える時期がやってくるのです。

夏の日差しが強まって氷河の縁がとけると、氷の下に隠れていた暗い海や大地が姿を現します。暗い表面は日光をはね返さず、たっぷり吸収するので、気温はさらに速く上がります。そこへ、あたたまった海が水中にたくわえていた二酸化炭素を空気中に放出して、地球の保温効果を加速させます。

こうして始まった温暖化が氷をいっそう速くとかし、温室効果ガスをさらに多く引き出して、寒い氷期を終わらせます。一方、数億年前に地球全体が赤道まで凍りついたという「スノーボールアース」仮説では、火山活動でたまった温室効果ガスが氷をとかす出口の役目を果たしたと考えられています。

よくある誤解

誤解

氷河時代には地球全体がかちかちに凍りつき、すべての生き物が凍え死んだ。

事実

氷河時代でも赤道付近はあたたかいままで、動植物が生い茂って栄えていました。また、氷河時代の中でも数万年の周期でおだやかな間氷期が訪れ、生き物たちは環境に適応する時間を得ていたのです。

日常で出会う場面

  1. 氷期に大陸に積もった氷河の分だけ海面が下がると、ベーリング陸橋(アジアと北米のあいだの陸の道)が現れ、人類が歩いて渡りました。

  2. 巨大な氷河が山や大地を削りながら動いた跡として、北ヨーロッパの雄大なフィヨルドやU字谷ができました。

つまり ひとことで

氷河時代とは、地球の軌道の変化と氷による日光の反射によって、極地や大陸に氷が大きく広がる気候の時期です。

作成 2026-08-06 更新 2026-10-17 検証 2026-10-17