定義
地球が1日に1回自転する中心軸(地軸)が、太陽の周りを回る公転面に対して垂直ではなく、約23.5度傾いていることを指します。傾いている向きは宇宙空間でほぼ一定に保たれます。そのため、1年を通じて地域ごとに太陽光が当たる角度や昼の長さが変化し、そこから四季の移り変わりが生まれます。
懐中電灯を斜めに照らすとぼやけます
暗い部屋で壁に懐中電灯の光を当ててみましょう。壁の真正面から垂直に照らすと、小さくてくっきりとした円ができます。懐中電灯を傾けて斜めから照らすと、同じ光が細長い楕円に広がり、ぼんやりと薄くなります。
懐中電灯が出している光の量はまったく同じです。変わったのは、光が広がる面積だけです。同じ量の光が広い範囲に分散すると、一定の面積あたりに届く光が少なくなります。そのため、斜めに光を受けた場所はそれほど明るくならず、温まりにくくなります。
太陽の光もまったく同じように地面に届きます。太陽が真上近くに昇る地域は、狭い場所に光が集中して熱くなります。一方で、太陽が低くしか昇らない地域は、同じ光が広く分散して涼しくなります。赤道付近が暑く、極地方が寒い理由もここにあります。
傾いたまま太陽の周りを回るうちに
地球が1日に1回くるりと回る中心には、目に見えない棒が一本貫いているとイメージしてみてください。この棒を「地軸(自転軸)」と呼びます。地軸はまっすぐ立っておらず、斜めに傾いています。
さらに重要なのは、傾いている向きが勝手に変わらないという点です。地球が太陽の周りを1周する間も、地軸はずっと同じ方向を指し続けます。そのため、1年のうち半年は北側が太陽に向かって傾き、残りの半年は南側が太陽に向かって傾きます。
太陽のほうへ傾いている半球では、太陽が空高く昇ります。懐中電灯を垂直に当てたときのように狭い範囲に光が集中し、太陽が出ている昼の時間も長くなります。この時期がその半球の夏です。同じ時期、反対側の半球は太陽光を斜めに受けることになり、冬を迎えます。2つの半球で季節がいつも正反対になる理由は、まさにこの傾いた姿勢にあるのです。
もう少し詳しく見てみると
季節が変わるのは太陽との距離が変わるからだと思われがちです。しかし実際には、地球が太陽に最も近づくのは北半球が真冬の時期です。距離の変化がもたらす差は、傾きがもたらす差に比べればごくわずかです。懐中電灯をほんの少し前に引き寄せるよりも、傾きを変えるほうがずっと劇的な差を生むのと同じです。
地軸の傾きは釘で固定されたように完全に変わらないわけでもありません。気の遠くなるような長い時間をかけて、わずかに大きくなったり小さくなったりを繰り返しています。ただし、人間が一生の間に実感できるような変化ではありません。
もし地軸がまっすぐ立っていたらどうなっていたでしょうか? 懐中電灯の角度が年中変わらないことになるため、季節の移り変わりも昼夜の長さの変化もほとんどなくなります。赤道はずっと暑く、極地方はずっと寒いまま、地域ごとに決まった気候が1年中続いたはずです。春に桜が咲き、秋に紅葉が広がるような景色も、いまとはまったく違っていたでしょう。
よくある誤解
夏が暑いのは、地球が太陽に近づくからである。
地球が太陽に最も近づくのは、むしろ北半球の冬です。季節が生じる本当の理由は、地軸が傾いていることで太陽光の当たる角度や昼の長さが変わるためです。
地球全体が同じ時期に夏を迎える。
北半球が太陽に向かって傾いているとき、南半球は太陽と反対側に傾きます。そのため、北半球と南半球では季節が常に正反対になります。
日常で出会う場面
日本が真夏のとき、オーストラリアでは厚手の上着を着る冬になります。
夏は日の出が早く日の入りが遅いため、夕食を食べ終わった時間でも外がまだ明るく感じられます。
つまり ひとことで
地球が斜めに傾いたまま太陽の周りを回っているため、太陽光が当たる角度と昼の長さが変化し、季節が生まれます。