定義
ウェブサイトにアクセスしたとき、サーバーがユーザーのインターネットブラウザ(ChromeやSafariなど)に保存しておく、とても小さなテキストファイルです。次に同じサイトを訪れたとき、ブラウザがこのファイルを見せて「前に来たあの人ですよ」と知らせる役目をします。
行きつけのカフェのスタンプカード
行きつけのカフェで財布に入れておいたスタンプカードを出すと、店員さんはすぐに私が誰かわかって、スタンプを押してくれます。店員さんが何千人ものお客さんの顔を一人ひとり覚えていなくても、カードに書かれた名前やスタンプの数を見れば、常連さんだとわかりますよね。
ウェブサイトも同じです。そもそもインターネットの通信ルール(HTTPプロトコル)には、お客さんがついさっきまでいた人かどうかをまったく覚えていないという性質があります。ページを新しく開くたびに、毎回初めて来たお客さんとして扱うのです。
そこでウェブサーバーは、お客さんが初めて訪れたとき、ブラウザのポケットに小さなメモ(クッキー)をそっと入れておきます。ここには、ログインしているユーザーだとわかる識別番号や、さっきカートに入れた商品の番号のようなデータが書かれています。次のページに移るたびに、ブラウザがこのメモをサーバーにさりげなく見せることで、とぎれのないやりとりが続きます。
ログイン維持からパーソナライズ広告まで
クッキーのおかげで、ネットショップで別のページに移っても、カートに入れた商品はそのまま残っています。サイトを閉じて翌日また開いても、IDとパスワードを入力し直さずにログイン状態がそのまま保たれるのも、すべてクッキーのおかげです。
ただ、クッキーは便利さだけをくれるわけではありません。あるネットショップで靴を見て出てきたら、別のニュース記事やSNSの画面に、その靴の広告がずっとついて回った、という経験をした方も多いはずです。
これは、広告会社が仕込んだ「サードパーティクッキー(Third-party Cookie)」が、ユーザーがどんなサイトを巡っているかを記録しているからです。ブラウザがいくつものサイトを訪れるたびに残したメモを集めてユーザーの関心を把握し、ぴったりの広告を表示しているのです。
もう少し正確に言うと:クッキーとキャッシュの違い
ブラウザの履歴を整理するときに出てくるクッキーとキャッシュ(Cache)を、同じものだと混同している方は多いです。でも、この二つはパソコンに保管する目的も中身もまったく違います。
キャッシュは、ウェブページをより速く表示するために、サイトのロゴ画像やデザインの設定のような大きなファイルのかたまりを、あらかじめパソコンにダウンロードしておく技術です。一方、クッキーは容量が数キロバイト(KB)にも満たない、とても軽いテキストの切れ端にすぎません。
もう少し正確に言うと、セキュリティ上大切なパスワードそのものは、クッキーに直接書き込みません。代わりに、ランダムに作った識別番号(セッションID)だけをクッキーに入れておき、本当の会員情報はウェブサーバー内部の安全な保管場所に置いておくことで、個人情報を守る仕組みになっています。
よくある誤解
クッキーを削除すると、パソコンの空き容量が大きく増える。
クッキーは数行のテキストでできた数キロバイト(KB)以下の極小ファイルなので、空き容量の確保にはほとんど影響しません。容量を大きく占めるのは、画像や動画を一時的に保管する「キャッシュ」です。
クッキーはパソコンを壊す悪質なプログラムだ。
クッキーは自分で実行されることのない、ただのテキストのメモにすぎません。プログラムを傷つけたり、システムを壊したりすることはできません。
日常で出会う場面
ネットショップでログインしておくと、数日間はパスワードを入力し直さなくてよい場面
ウェブサイトを開いたときに、「今日はこのウィンドウを再表示しない」にチェックを入れておく設定
つまり ひとことで
クッキーは、ウェブサイトがユーザーのログイン状態や設定を覚えておくために、ブラウザに残しておく小さなテキストのメモです。