定義
韓国の外来語表記法とは、外国から入って韓国語のように使われている言葉をハングルで書くときに守るべき、公式の表記規範です。人によって発音も書き方も違うことで起こる混乱を防ぎ、誰もが同じ方式でスムーズに意思疎通できるように、1986年に政府が告示し、国立国語院が管理している基準です。
なぜ「초콜릿(チョコルリッ・チョコレート)」で、「초콜렛(チョコルレッ)」ではないの?
海外から新しい品物やおいしいデザートが初めて入ってきたときを思い浮かべてください。ある人は聞こえたままに「초콜릿(チョコルリッ)」と呼び、別の人は「초콜렛(チョコルレッ)」や「쵸코렛(チョコレッ)」と、それぞれ違う書き方をしたらどうでしょう。辞書で単語を引くときも、公文書を作るときも、大きな混乱が生まれます。外国語の音の聞き取り方は、人によってバラバラだからです。
こうした表記の混乱を整理してくれる交通整理のルールが、外来語表記法です。外国から来た言葉を韓国語の体系に自然に取り入れるとき、誰もが同じ文字で書いて読めるように、標準の通り道を開いてあげるわけです。
つまり外来語表記法は、外国語をハングルで書くときに社会の混乱を減らし、表記の統一を守るための取り決めです。これのおかげで、見慣れない外来語に出会っても、ひとつの標準表記で誤解なく正確にやりとりできます。
7つのパッチムと基本原則
外来語表記法には、覚えておくと役に立つ大きな原則がいくつかあります。第一に、外来語のパッチム(終声の子音)には「ㄱ(キヨク)、ㄴ(ニウン)、ㄹ(リウル)、ㅁ(ミウム)、ㅂ(ピウプ)、ㅅ(シオッ)、ㅇ(イウン)」のたった7つの字しか使いません。「ㄷ(ティグッ)」のパッチムの代わりに「ㅅ(シオッ)」を書くという原則のため、ロボットは「로볻(ロボッ・ㄷ終わり)」ではなく「로봇(ロボッ・ㅅ終わり)」、インターネットは「인터넫」ではなく「인터넷(イントノッ)」、ビスケットは「비스킫」ではなく「비스킷(ビスキッ)」と書きます。
第二に、外国語のひとつの音は、原則としてハングルの字母ひとつだけに一対一で対応させて書きます。同じ外国語の音を場面によっていろいろな字に書き換えないほうが、書き方も読み方もシンプルで明快になるからです。
第三に、破裂音(ㄱ・ㄷ・ㅂ系統の音)を書くときは、濃音(ㄲ、ㄸ、ㅃ)を使わないのが原則です(タイ語やベトナム語など一部の言語には、別に定めた例外があります)。そのため「까페(ッカペ)」ではなく「카페(カペ・カフェ)」、「뻐스(ッポス)」ではなく「버스(ポス・バス)」と書くように、濃音の使いすぎを避ける基準を立てて、韓国語らしい自然な語感を守っています。
もう少し正確に言うと:発音の教科書ではありません
外来語表記法に触れて、「ネイティブの本当の発音とあまりにかけ離れている」と不思議に思う人は多いです。でも外来語表記法は、外国語の発音をネイティブそっくりにまねるための発音の教科書ではありません。韓国語を日常的に使う韓国の人たちが、いちばん楽に自然に読み書きできるように、文字を整える規範です。
外国語の細かくて多様なイントネーションをハングルの字母で完璧に写し取ることは、言語の構造上できません。そのため、もとの発音の特徴を尊重しつつ、韓国語の音の法則や綴りの体系に無理が出ないよう、韓国語を話す人の意思疎通のしやすさに合わせて定着させることが、本来の目的です。
また、すでに韓国語の言語生活に深く根づいた言葉は、こうした原則より歴史的な慣用を優先して認めます。たとえば「카메라(カメラ)」や「라디오(ラディオ・ラジオ)」のように、長い年月使われて定着した外来語は、もとの発音と多少違っていても、無理に直さず、なじんだ表記をそのまま受け入れます。
よくある誤解
外来語表記法は、ネイティブの発音をハングルで完璧にまねるためのルールだ。
ネイティブ発音の完全な再現が目的ではなく、韓国語の使用者が規則的に読み書きして意思疎通できるように標準化した規範です。
日常で出会う場面
「로볻(ロボッ・ㄷ終わり)」ではなく、パッチム「ㅅ」を使って「로봇(ロボッ・ㅅ終わり)」と書きます。(「로보트(ロボトゥ)」ではないのは、短い母音のあとの語末の[t]をパッチムで書くという、英語表記の細則があるためです。)
「까페(ッカペ)」や「뻐스(ッポス)」のような濃音ではなく、平音と激音を使って「카페(カペ)」「버스(ポス)」と書きます。
つまり ひとことで
外来語をハングルで書くとき、統一性と意思疎通のしやすさのために定められた、韓国の国家標準の表記ルールです。