定義
レストランや美容室、ライブ会場、飛行機などの席やサービスを事前に予約しておきながら、約束の時間になっても、キャンセルの連絡をしないまま一方的に現れない行為のことです。予約された時間や資源をむだにし、ほかの人が使えたはずのチャンスまで奪ってしまう、代表的な予約の不履行です。
約束を破ることが、なぜこれほど大きな損害になるの?
誕生日パーティーのために、お店に10人分の料理を前もって注文したとします。ところが来るはずだった友だちが、連絡もなく一人も来なかったら……。丁寧に作った料理は手もつけられないまま捨てられ、パーティー用に飾ったテーブルだけがぽつんと残ります。
レストランや美容室、ライブ会場のような身近なサービスのお店でも、同じことが繰り返されています。お店の人は予約のお客さんを迎えるために、食材を先に仕入れて下ごしらえをし、ほかのお客さんの来店や問い合わせも断って、その予約のためだけに席を空けておきます。
そこへ予約した人が予告なしに来なければ、その日のために用意した食材はそのまま捨てることになり、働けたはずの時間も宙に消えてしまいます。目には見えませんが、時間とサービスそのものが商品であるお店では、ノーショーは取り返しのつかない金銭的な損害を残します。
バタフライ効果のように広がる、社会全体の不便
ノーショーによる損害は、お店を営むオーナーだけにとどまりません。まさにその時間帯にサービスや席が必要だった、ほかのまじめな人たちにも、被害がそのまま回ってきます。
たとえば、お盆や年末年始の新幹線のチケットや、週末の人気キャンプ場の予約を考えてみてください。誰かが席を押さえたまま連絡もなく現れなければ、本当に帰省したかった人や、どうしても休みたかった別の利用者が、大切な利用の機会を奪われてしまいます。
こうした問題が積み重なると、お店は損失を減らすために、予約金(デポジット)制度を取り入れたり、キャンセル料のルールを厳しくしたりするようになります。結局、一部の人の無責任な行動のせいで、約束をきちんと守っている大多数の一般の消費者まで、支払いの手続きが面倒になり、余計な費用を負担することになるのです。
もう少し正確に言うと:ただのキャンセルとノーショーの違い
もう少し正確に言うと、ノーショーは、あらかじめ事情を伝えて行う通常の「予約キャンセル」とはまったく性質の違う問題です。事情ができたときに早めに連絡をもらえれば、お店は順番待ちのお客さんを新しく迎えたり、準備の予定を調整したりできます。けれどもノーショーは、他人の時間と信頼を一方的にむだにする結果を生みます。
顔を合わせずに進められるスマートフォンやネットでの予約が、こうした無責任さを助長しているという指摘もあります。相手の顔を見ないので、「自分ひとりくらい行かなくても大丈夫だろう」という気持ちが生まれやすい、というわけです。
これを防ぐために、予約の前日にリマインドのメッセージを送って予定を確認してもらうやさしい働きかけ(ナッジ)や、予約金の制度が広がっています。約束を大切に守り、前もってキャンセルの連絡を入れる。そんな小さな心づかいこそが、私たちの社会のむだを減らす、いちばん確かな方法です。
よくある誤解
予約金を払っていない無料の予約なら、キャンセルの連絡なしに行かなくても、相手にお金の損害は出ない。
予約金を払っていなくても、お店はそのお客さんのためにスタッフを配置し、ほかのお客さんを断っています。そのため、キャンセルの連絡がないと、営業上の損失と時間のむだという被害をそのまま受けることになります。
日常で出会う場面
居酒屋に職場の宴会20人分を予約しておきながら、当日は電話にも出ず、現れないケースです。
お盆の帰省ラッシュの時期に新幹線のチケットを予約したのに、キャンセルせず、列車が出発するまで空席のままにしてしまうケースです。
つまり ひとことで
ノーショーとは、事前のキャンセル連絡なしに約束の場所に現れず、他の人のチャンスと事業者の資源をむだにしてしまう、マナー違反の行為です。