延長勤労手当(韓国の残業手当)
スマホの基本データ容量を使い切ると追加料金が割高にかかるように、決められた時間を超えて働いたときに本来の時給に50%上乗せ(1.5倍)されて支給される割増賃金です。
定義 延長勤労手当とは、法律で定められた基本労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた際に支払われる追加の賃金です。会社は超過した労働時間に対して、本来の時給に最低50%を上乗せ(1.5倍)して支払う義務があります。
基本の勤務時間を超えると「1.5倍」の価値がつきます
スマホの基本データ10GBを使い切ると、それ以降は割高な追加料金がかかりますよね。人の労働時間もまったく同じ仕組みです。韓国の労働基準法では、1日8時間・週40時間を「基本労働時間(法定労働時間)」と定めています。
この基準ラインを超えて働く瞬間からが「延長勤労(時間外労働)」となります。例えば時給1万ウォン(約1,100円)の社員が1日9時間働いた場合、超過した1時間分については1万ウォンではなく1万5千ウォンを受け取る必要があります。通常賃金(基礎時給)の50%を上乗せして支払うことが法律で義務付けられているからです。
夜遅くまで残って働く残業だけでなく、平日の5日間で40時間をすべて満たした後に土曜日に出勤して4時間働くようなケースも、すべて延長勤労に該当します。
深夜勤務や休日出勤が重なるとどうなる?
延長勤労手当を計算する際の基準となる時給を「通常賃金」と呼びます。あらかじめ定時労働の対価として定期的に支払われる基本給や固定手当を、1時間あたりの金額に換算したものです。この通常賃金に1.5を掛けて、延長勤労1時間あたりの支給額を算出します。
ところが、残業が夜10時を過ぎて深夜まで及ぶと計算が変わります。夜10時から翌朝6時までの勤務は「夜間勤労」に該当し、さらに50%の加算がつくからです。つまり、延長勤労であり同時に夜間勤労でもある時間帯は、基本時給の2倍(100%+50%+50%)を受け取ることになります。
休日や祝日に出勤して8時間を超えて働く場合も同様です。休日勤労手当と延長勤労手当がそれぞれ重複して加算されます。
もう少し詳しく:誰もが無条件でもらえるわけではない?
法律がこのように1.5倍という割高な手当を義務付けているのはなぜでしょうか? 会社が社員に安易に残業を命じるのを防ぎ、労働者の健康と休息の権利を守るためです。お金を多く払うことよりも、退勤後のプライベートを守ることが法律の本来の目的です。
ただし、すべての職場で割増手当が無条件に適用されるわけではありません。現行の韓国労働基準法上、常時5人以上の労働者を使用する事業場でのみ、この50%割増の規定が義務となっています。5人未満の事業場では、残業をしても働いた時間分の基本時給(100%=1倍)を支払えば法的に違反とはなりません。
また、月給にあらかじめ一定の残業代を含めておき、どれだけ残業しても追加手当を支払わない「包括賃金制」の契約を結んでいる職場も多く、実労働時間に見合った手当が支払われない問題が社会的にしばしば議論されています。
🤔 よくある誤解
残業をすれば、どんな会社で働いていても必ず1.5倍の手当がもらえる。
50%割増の義務が適用されるのは常時5人以上の事業場のみです。5人未満の事業場では、働いた時間分の基本時給(100%)の支給だけでも違法にはなりません。
🧺 日常で出会う場面
法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた際に、本来の時給の1.5倍(50%割増)以上を受け取ることができる割増賃金のことです。