単純経費率と基準経費率
領収書を一枚ずつ保管できなかったとき、国が「この業種なら大体これくらい費用がかかっただろう」とおおまかに経費として認めてくれる公式の割合表です。
定義 単純経費率と基準経費率は、韓国で個人事業者やフリーランスが1年間の経費を帳簿に記録できなかった際、国税庁が業種別の平均支出割合をもとに課税対象の経費を代わりに算出してくれる推計割合のことです。
領収書がなくても税金を申告・納税できる理由
事業を営んだりフリーランスとして働いたりすると、1年間の売上から仕事にかかった費用(必要経費)を差し引いた純利益に対して税金を納めます。しかし、開業したばかりの零細事業者や多忙なフリーランスにとって、領収書をすべて集めて帳簿をつけるのは非常に大変な作業です。
そこで税務当局は、「この業種なら通常、売上の何パーセントを経費として使っている」という事前調査の統計データを活用します。帳簿がなくても納税者が一方的に不利益を被らないよう、概算の支出を推計して認めてくれるのです。このように実際の帳簿なしでおおまかに計算して申告する方法を「推計申告(チュゲシンゴ)」と呼びます。
推計申告を行う際に、いくらを経費として認めるかを国が公式に定めた比率が「経費率」です。これのおかげで、帳簿をつけられなかった小規模事業者でも政府が定めた支出認定割合に従って、複雑な書類なしで手軽に最低限の経費控除を受けられます。
もしこの制度がなければ、領収書を残せなかった初心者の事業主は売上全体が純利益だとみなされ、重い税金を課されてしまいます。経費率は、事業初期の事務負担を軽減するための税法上のセーフティネットといえます。
単純経費率と基準経費率の決定的な違い
経費率は、事業者の収入規模によって大きく「単純経費率」と「基準経費率」の2種類に分かれます。単純経費率は、事業を始めたばかりの人や年間収入が一定基準以下の小規模事業者に与えられる大きな優遇措置です。国税庁が「領収書を個別に確認せず、売上の60〜80%をそのまま経費として認めます」と寛大に差し引いてくれる仕組みです。
一方で、事業が軌道に乗り収入が基準額を超えると「基準経費率」の対象者に切り替わります。ここからは国が自動で認めてくれる経費の割合が10〜20%程度へと大幅に減少します。残りの支出を経費として認めてもらうには、3大主要経費の領収書を事業主自身が集めて国税庁に証明しなければなりません。
ここで必ず領収書や明細で証明すべき3大主要経費とは、仕入れにかかった材料費(買入費用)、店舗やオフィスの家賃(賃借料)、そして従業員に支払った給料(人件費)です。これら3つの費用に関する証明書類がなければ控除を受けられず、大きな負担となってしまいます。
つまり、単純経費率は領収書がなくても大半の経費を自動で認めてくれる寛大な制度であるのに対し、基準経費率は主要な領収書がなければほとんど経費処理を認めてくれない厳格な制度なのです。
より正確に言えば:売上が伸びるほど記帳が必須になる理由
開業初年に単純経費率が適用されて税金が安く済んだからといって、翌年以降もずっと同じだと思って油断してはいけません。年間の売上が基準金額を1ウォンでも超えた瞬間、国税庁のシステム上で自動的に基準経費率の対象へと切り替わるからです。
基準経費率の対象になったにもかかわらず、以前のように領収書を集めず帳簿もつけないままでいると、深刻な事態に直面します。基礎的に認められる経費率が極端に低いため、実際には赤字だったとしても帳簿上は莫大な利益が出たように計算され、予想外の高額な追徴税(税金爆弾)を課されるおそれがあります。
さらに、一定規模以上の事業者が帳簿をつけずに推計申告を行うと、記帳を怠ったことに対するペナルティである「無記帳加算税」まで追加で課されます。経費控除は減る一方で罰金が上乗せされるため、税負担が何倍にも膨らんでしまうのです。
したがって、収入が増え始めたら国税庁のシステム(ホームタックス)で自身の経費率区分をこまめに確認する必要があります。そして、日々の支出を簡易帳簿や複式簿記で記録することこそが、税金を最も確実かつ安全に抑える近道なのです。
🤔 よくある誤解
領収書をまったく集めていなくても、経費率制度を使えばいつでも税金を大幅に減らせる。
領収書なしで大半の経費を差し引いてもらえるのは、収入が少ない単純経費率の対象者だけです。売上が伸びて基準経費率の対象になると、領収書がなければ税額が何倍にも跳ね上がるおそれがあります。
🧺 日常で出会う場面
帳簿をつけていない場合に国が支出を推計して計算してくれる割合のことで、単純経費率は小規模事業者向けの全額概算認定、基準経費率は主要な領収書の証明が必要な限定的認定方式です。