定義
スマートフォンやノートパソコンに入っているリチウムイオン電池が老化していく速さを遅らせ、もともとの容量を長く保つための管理方法です。充電の習慣と使う温度を調整して、内部の部品にかかる物理的・化学的なダメージを最小限にする仕組みです。
バッテリーも使うほどくたびれる輪ゴムのようなもの
新しい靴を長く履くと靴底がすり減り、輪ゴムが緩んでいくように、スマートフォンのバッテリーも毎日使っていると少しずつ老化していきます。バッテリーの内部には、リチウムイオンという小さな粒が入っています。充電するときは、この粒が片方の部屋(負極)へ渡り、スマートフォンを使うときは反対側の部屋(正極)へ戻ってきて、電気をつくります。
粒が両方の部屋を何度も行き来するたびに、内部の壁や通り道は、ごくわずかに伸びたり縮んだりを繰り返します。これが何百回も積み重なると、通り道がゆがんで、粒が途中で閉じ込められたり、壁が傷んだりします。
やがて時間がたつと、買ったときのように電気を満杯にためておけなくなります。このようなバッテリーの自然な老化を遅らせるには、充放電のときにかかる物理的なストレスを減らす生活習慣が必要です。
20%から80%の間を保つコツ
人も、お腹が張り裂けるほど食べすぎたり、極端に食べなかったりすると体を壊すように、バッテリーも両極端の状態にとどまるのがいちばんつらいのです。エネルギーが0%まで尽きる完全放電と、100%いっぱいの完全充電の状態です。
実は、画面に0%と表示されていても、保護回路が残してある余裕分があるので、バッテリーが完全に空になるわけではありません。ただ、その状態で長く放置して本当に底まで放電してしまうと、電極が傷んで元に戻しにくい損傷が生じることがあります。逆に、100%充電された状態で充電器を挿しっぱなしにしておくと、高い電圧がバッテリー内の化学物質を無理に絞り上げて、少しずつ傷めていきます。
だからバッテリーは、20%から80%の間を保つときがいちばん楽で、寿命も長持ちします。最近のスマートフォンやノートパソコンに入っている「バッテリー保護モード」や「80%充電制限」をオンにしておくと、充電器を挿したままでも、過度な負担を自動で避けてくれます。
もう少し正確に言うと:熱はバッテリーの最大の敵です
もう少し正確に言うと、バッテリーの寿命を急速にむしばむ最大の要因のひとつは、充電の回数そのものよりも、高い熱です。あらゆる化学反応は温度が高いほど激しくなるため、熱を受けるとバッテリー内部の保護膜が異常に厚くなって、性能を下げてしまいます。
厚いケースを付けたまま急速充電をしたり、重いゲームを動かしながら充電したりすると、機器内部の温度が40℃以上に跳ね上がることがあります。このときに生じる高い熱は、バッテリー内の電解液(イオンが泳ぐ液体)の分解を早め、電極を傷めます。冬の寒さで一時的に電源が落ちるのは、暖まれば元に戻りますが、高温状態で起こる化学的な劣化は、元に戻らない永久的な破壊を引き起こします。
ですから、寝るときに枕の下にスマートフォンを置いたまま充電しない、夏の暑い車内に機器を置きっぱなしにしないといった、ささいな習慣が、バッテリーをいちばん長く使うコツです。
よくある誤解
バッテリーは0%まで完全に使い切ってから、100%まで満タンに充電したほうが寿命が延びる。
昔のニッケル系バッテリーにあてはまっていた常識です。いま使われているリチウムイオン電池は、0%近くまで空になったり、100%いっぱいの状態に長くとどまったりするほど、ダメージが早く積み重なります。わざわざ使い切ってから満タンにする必要はありません。
一晩中充電器を挿しておくと過充電になって爆発する。
最新の電子機器には、満充電になると充電を止める保護回路があるので、一晩挿しておいても過充電にはなりません。ただ、100%の高電圧状態が長時間続くこと自体は、バッテリーの寿命によくありません。
日常で出会う場面
スマートフォンの設定で「バッテリー保護(最大80%または85%まで充電)」機能をオンにしておく方法です。
充電中は、高性能な3Dゲームや動画撮影のように、熱がたくさん出る作業を避けます。
つまり ひとことで
バッテリーは0%と100%を避けて20〜80%の間で充電し、高い熱を避けることが、寿命を守るカギです。