経済

複利

雪だるまを作るとき、雪玉が大きくなるほど一転がしでくっつく雪の量が爆発的に増えていく魔法のような仕組みです。

  • 約3分
  • 図 1点
  • 2026-10-12 検証

定義

元本についた利息が新たな元本に組み込まれ、それがさらに次の利息を生み出す計算方法です。時間が経つほど増えるスピードが加速し、巨大なスノーボール効果(雪だるま効果)を生み出します。

雪だるま式に膨らむ利息の魔法

雪だるまを作るとき、小さな雪玉を転がし続けると、最初は少しずつしか大きくなりませんが、やがて一回転させるだけで一気に巨大になりますよね。「複利(ふくり)」もまったく同じ原理で働きます。元本についた利息を受け取って使わずにそのままにしておくと、次回は「元本と利息を合わせた金額全体」を基準にして新しい利息がつきます。

一方で、つねに最初に預けた元本に対してだけ利息がつく仕組みを「単利(たんり)」と呼びます。たとえば100万円を年利10%で運用するとしましょう。単利の場合は毎年きっかり10万円ずつしか増えないため、10年経っても増える利息は100万円にとどまります。

しかし複利なら、1年目に10万円の利息がついて110万円になると、2年目はその110万円の10%である11万円が利息としてつきます。このように利息が利息を生む連鎖が繰り返されることで、時間が経つほどお金の増えるスピードは想像をはるかに超えて加速していきます。

「時間」が育て「スピード」が完成させる圧倒的な差

複利の真の威力は、長い時間が積み重なったときにこそ発揮されます。最初の数年間は単利と複利の差がそれほど目立たないため、大したことがないように感じがちです。しかし、10年、20年、30年と経つにつれて、両者の差は天と地ほどに開いていきます。

金融の世界では、自分のお金が2倍になるまでの年数を計算するときに「72の法則」という便利な公式がよく使われます。数字の「72」を年利(%)で割ると、元本が約2倍になる年数がわかるのです。たとえば年利6%の複利運用なら、72を6で割った「12年後」に元本が2倍になります。

複利における最大の武器は、今ある大金ではなく長期間じっくり転がし続ける忍耐力です。そのため、少額であっても1日でも早く貯蓄や投資を始めて「時間を味方につける」ほど、期間の恩恵を大きく受けられます。ただし、投資の利回りは年によって変動し元本割れのリスクもあるため、実際の結果は計算通りにならない場合もあります。

もう少し詳しく:借金にも容赦なく働く両刃の剣

もう少し詳しく言うと、複利は貯蓄や投資をする人にだけ有利に働いてくれる味方とは限りません。自分が返済すべき借金やローンにも複利が適用されると、あっという間に手に負えない怪物へと姿を変えます。

クレジットカードのリボ払いや延滞が重なったり、金利の高いローンを放置したりすると、返しきれなかった利息の上にさらに利息が上乗せされます。瞬く間に借金が雪だるま式に膨らみ、逆方向の「複利爆弾」を抱えることになるのです。

また、物価が持続的に上昇するインフレーションも、複利と同じペースでお金の本当の価値(実質価値)を目減りさせます。このように複利は、資産を急速に増やす強力なエンジンにもなれば、管理を誤れば家計を破綻させる危険な刃にもなり得るのです。

よくある誤解

誤解

複利効果を得るには、最初からまとまった大金が必要だ。

事実

もちろん元本が大きいほど結果も比例しますが、元本が同じであれば期間が長いほど成果は加速度的に大きくなります。たとえば年利10%の複利なら、同じ金額でも10年早く始めただけで将来の資産に約2.6倍もの差がつきます。そのため手元に大金がなくても、早く始めることで「時間の力」を存分に生かすことができます。

日常で出会う場面

  1. 年利10%の複利で100万円を30年間運用すると約1,745万円になります。同じ条件の単利(400万円)と比べて4倍以上の差がつきます。

  2. クレジットカードのリボ払いは、繰り越された残高に高い手数料がつき続けるため借金が急速に増えていきます。返済が滞って未払いの利息が残高に組み込まれると、利息にさらに利息が重なる複利の悪循環に陥ってしまいます。

つまり ひとことで

利息が新たな元本となってさらに利息を生み出し、雪だるま式に資産が増えていく計算の仕組みです。

作成 2025-08-20 更新 2026-10-12 検証 2026-10-12