定義
国内の輸入業者や流通店舗を通さず、消費者が海外のオンラインショップで商品を直接選んで決済し、自宅へ配送してもらう取引方法です。国境を越えて直接品物を購入する「個人輸入(越境EC)」を指します。
中間の流通ルートを一気にスキップします
海外で作られた商品が、国内の百貨店や大型スーパーの店頭に並ぶまでには、かなり複雑な道のりをたどります。現地の工場を出た商品が輸出業者を通り、それを国内の輸入業者が買い付けて倉庫に保管したのち、小売店へと届けられます。この各ステップで物流費や保管料はもちろん、流通業者それぞれの利益(マージン)や税金が次々と上乗せされていきます。
海外通販は、この長くて複雑な流通ルートを飛び越え、消費者が海外の販売者と直接つながる仕組みです。国内の輸入・流通段階で生じる中間マージンや保管コストが省かれるため、国際配送料や関税を加えても、国内の正規取扱店より安く購入できるケースが多くあります。
価格だけでなく、選択肢が圧倒的に広がる点も大きな魅力です。国内の正規代理店が扱っていない個性的なデザインの洋服や、特定ブランドのサプリメントなど、国内では手に入りにくい多彩なアイテムを自宅にいながら気軽に注文できるからです。
世界中の巨大なショッピングモールが、手のひらのスマートフォンにそのまま収まったようなものです。おかげで消費者は、国内市場という枠にとらわれず、世界中を舞台に最も納得のいく買い物ができるようになりました。
目に見えない追加費用をしっかり見極めましょう
海外サイトの魅力的な価格だけを見て、慌てて決済ボタンを押してしまうと思わぬ落とし穴にはまります。画面に表示されている商品代金のほかに、思いのほか高額な国際配送料、クレジットカードの海外事務手数料、さらには注文時と請求時における為替レートの変動まで関わってくるためです。
特に免税枠を超える商品を購入した場合、関税や消費税などの税金を納める必要があります。たとえば韓国の通関基準では、個人使用目的の物品は原則150ドル(米国からの簡易通関品は200ドル)を超えると課税対象になります(※サプリメントや食品など除外品目には一律150ドルが適用)。
もし重い家具やサイズのかさばる商品を購入した場合、送料が商品代金よりも高くなってしまう本末転倒な事態も起こり得ます。そのため、購入前には商品自体の価格に国際配送料や税金を合算した総支払額を必ず計算しておく必要があります。
海外サイトで自国通貨決済を選んだ際に発生する二重両替手数料にも注意が必要です。現地通貨やドルではなく自国通貨で決済すると、不利な為替レートや換算手数料が二重に上乗せされ、余計な出費になりがちです。
もう少し詳しく:安さの裏に潜むリスク
海外通販は価格が魅力的な反面、購入者自身が引き受けなければならない不便やリスクも少なくありません。配送中に商品が破損したり、注文と違う品物が届いたりしても、交換や返品・返金の手続きが非常に煩雑で時間がかかります。
返品しようとしても、海外へ送り戻す国際送料は自己負担になることが多く、泣き寝入りせざるを得ないケースも珍しくありません。また、国内の公式サービスセンターでアフターサービス(修理保証)を断られたり、専用パーツが国内になく修理自体を受けられなかったりするトラブルも日常茶飯事です。
さらに電化製品の場合、国内の電気用品安全認証(韓国のKC認証や日本のPSEマークなど)を取得していない製品であれば、火災や感電のリスクがあるほか、コンセントプラグの形状や対応電圧が国内と異なりそのまま使えないこともあります。結局のところ海外通販とは、中間流通業者が提供していた手厚い保証や利便性を手放し、価格の安さと引き換えにする選択だと言えます。
そのため、故障の心配が少ないものや内外価格差が非常に大きいアイテムは海外通販で購入し、継続的なメンテナンスや迅速な交換が不可欠な電化製品などは国内の正規品を選ぶなど、賢い使い分けが求められます。
よくある誤解
海外通販で買えば、どんな商品でも国内より絶対に安い。
国際配送料やカード決済手数料、免税枠を超えた際の関税や消費税を合算すると、国内の正規販売価格よりかえって高くなってしまうことがあります。
日常で出会う場面
ブラックフライデーのセール期間中に、米国の大型オンラインショップからコードレス掃除機を直接注文して自宅に届けてもらうケースです。
国内未発売の海外限定スニーカーを、ドイツ現地のショッピングサイトで自ら決済して購入するケースです。
つまり ひとことで
中間の流通ルートを省いて海外の商品を直接安く手に入れる方法ですが、関税などの税金やアフターサービスの手間・コストまで見極めて利用する必要があります。