一般常識

サリーの法則

傘を持って出かけた途端に待っていたかのように雨が降り出すように、自分にとって都合の良い偶然が嘘のように立て続けに起こる瞬間のことです。

  • 約3分
  • 図 2点
  • 2026-10-12 検証

定義

サリーの法則とは、思いがけず物事が自分にとって有利な方向にトントン拍子に進んだり、偶然にも良いことばかりが連続して起こる現象のことです。不吉なことや不運が重なる「マーフィーの法則」の正反対にあたる、うれしい幸運の連鎖を指します。

寝坊したのにバスが目の前にぴったりやって来る日

朝寝坊して「完全に遅刻だ!」と焦って息を切らしながらバス停まで走ったのに、着いた瞬間に乗るはずのバスが嘘のように目の前へ滑り込んできた、なんて経験はありませんか? それどころか、移動中も信号がことごとく青信号ばかりで、普段よりもずっと早く学校や職場に着いてしまうことさえあります。

このように、最初は「もうダメだ」と思っても状況が奇跡のように好転し、思いがけない幸運へとつながる日があります。晴れているのに傘を持って出かけたら午後に突然のゲリラ豪雨に見舞われたり、急いで入った飲食店の最後の1席にすんなり座れたりする瞬間です。このように自分にとって都合の良い偶然が立て続けに起こる現象を、「サリーの法則」と呼びます。

この名称は、1989年の映画『恋人たちの予感(原題:When Harry Met Sally...)』でヒロインのサリーが紆余曲折の末にハッピーエンドを迎えることに由来すると言われています。英語圏ではあまり使われませんが、何をやっても裏目に出る『マーフィーの法則』の対義語として、主に韓国などで気分の良い幸運の連続を表す言葉として広く親しまれています。

もう少し正確に言うと、脳の「選択的記憶」です

もう少し客観的に見ると、宇宙や自然が本当に自分だけのために特別な幸運を用意してくれているわけではありません。統計学的に見れば、良いことが重なるのもほとんどが確率や偶然の範囲内の出来事です。誰かのためだけに幸運があらかじめ用意されているわけではないのです。

それなのに、なぜ私たちは「今日は特別に何でもうまくいく日だ」と感じてしまうのでしょうか? その秘密は、人間の脳が持つ独特な記憶の仕組みにあります。普段、バスが時刻通りに来たり信号がスムーズに変わったりすることは当たり前すぎて、脳はいちいち記憶にとどめずすぐに忘れてしまいます。

一方、遅刻しそうな絶体絶命のピンチから救われた瞬間は、劇的な安心感と大きな喜びをもたらすため、脳裏にとても強烈に刻み込まれます。このように印象的な記憶だけを選択的に思い出すことで、まるで世界中が自分の味方をしてくれているかのような、心地よい錯覚を抱くようになるのです。

前向きな心がチャンスに気づく力を高めます

では、サリーの法則は単なる脳の思い込みにすぎないのでしょうか? 心理学者のリチャード・ワイズマンの研究によると、自分は運が良いと考えている人ほど、偶然のチャンスに気づきやすく、すぐに行動に移す傾向があることが示されています。ただし、この研究は公募された参加者が「自分は運が良いか悪いか」を自己評価したアンケートに基づくものであり、一般向けの書籍で紹介された内容でもあるため、すべての人にそのまま当てはまるとは言い切れません。

「最後にはきっとうまくいく」と楽観的に捉えられる人は、目の前のピンチに直面しても過度に慌てず、落ち着いて周りを見渡すことができます。視野が狭くならず広がるため、他の人なら見過ごしてしまうような思いがけないチャンスをいち早く見つけ、行動に移すことができるのです。

まとめると、サリーの法則そのものは偶然と選択的記憶が生み出した感覚に近いと言えます。しかし、前向きで準備のできている姿勢は、ささいな偶然をチャンスとして捉える手助けになってくれるはずです。

よくある誤解

誤解

サリーの法則は、世の中に実際に存在する魔法のような物理法則である。

事実

実際の自然法則ではなく、印象深い幸運を強く記憶することから生じる心理的な現象です。

日常で出会う場面

  1. テスト直前に慌てて目を通した問題集のページから、試験問題がそのまま出題された。

  2. 念のため傘を持って外に出たら、ちょうどその瞬間から土砂降りの雨が降り出した。

つまり ひとことで

悪いことが起きそうだったのに状況が有利に好転し、うれしい出来事が立て続けに起こる現象のことです。

作成 2024-07-16 更新 2026-10-12 検証 2026-10-12