科学

震源と震央

地中深くで破裂した花火の位置と、その真上の地表に地図でぽんと打った点との違いです。

  • 約3分
  • 図 1点
  • 2026-10-13 検証

定義

震源は地震が最初に発生した地中の実際の場所で、震央はその震源から垂直に上がった地表の地点のことです。震源は深さをもつ地中の点で、震央は私たちが地図で確認する地表の位置です。

地中の出発点と、地図上の目印

真っ暗な部屋で電気をつけたとき、電球そのものと、その光がまっすぐ届く天井の表面を思い浮かべてみてください。電球が地中で岩盤が割れた場所なら、天井は私たちが立っている地面の表面です。地震は地面の表面で手品のように起こるのではなく、ほとんどが数km〜数十km地中の深いところから始まります。

地震が起きて岩盤が割れ、地震波が最初に発生した地中の実際の場所を「震源」と呼びます。漢字のとおり「地震のみなもと」という意味です。震源は緯度と経度だけでなく、地下のどれくらい深いかという深さの情報まで含む、立体的な3次元の位置です。

一方、緊急地震速報やニュースで「○○地方で地震が発生」と地図上に点を打って知らせる場所は「震央」です。震源から地球の中心と反対の方向、つまり地表に向かってまっすぐ垂直に線を伸ばしたときに交わる、地表面上の基準点のことです。

震央の近くが大きく揺れやすい理由

静かな池に小石を投げると波紋が輪になって四方に広がるように、震源で生まれた衝撃も、地震波(地震で発生する振動エネルギー)という波になって地中を四方に揺らしながら広がっていきます。波は遠くへ広がるほどエネルギーが周囲に散らばり、だんだん弱くなります。

震源から垂直にいちばん近い地表が、まさに震央です。震央に立っている人は、地中の震源との距離がほかの誰よりも近いので、一般的に地震の揺れをいちばん早く、強く感じることになります。

ただし、実際の揺れの強さは距離だけでなく、地盤の性質にも大きく左右されます。震央から少し離れていても、地表が硬い岩盤ではなく、砂地や干潟、埋め立て地のようなやわらかい軟弱地盤だと、地震波が増幅されて、より激しく揺れることがあります。

もう少し正確に言うと:点ではなく面です

地震のニュースでは、震源と震央を地図上の小さな点ひとつで示します。でも、もう少し正確に言うと、実際の地震は点ひとつで起こる単純な出来事ではなく、巨大な断層面がずれて割れていく現象です。

巨大な地下の岩盤が耐えきれずに割れはじめた最初の出発点が、まさに震源です。この破壊はその場にとどまらず、断層面に沿って裂けるように広がっていきます。大きな地震では、あっという間に数十〜数百kmの長さまで広がることもあります。

そのため、巨大地震が起きたときは、震央だけでなく断層が走った一帯全体が深刻な被害を受けることがあります。また、同じ規模なら、震源の深さが浅い地震ほどエネルギーが減りきらないまま地上に伝わるため、被害が大きくなりやすいのです。

よくある誤解

誤解

震央で地震が最初に始まった。

事実

地震が最初に始まった場所は、地中深くの「震源」です。震央は、その震源の真上にあたる地表の地点にすぎません。

日常で出会う場面

  1. ニュースで「○○市の南10km付近」のように地表の位置を伝えているのは震央です。

  2. 「地下○○kmの深さで発生しました」のように地中の深さも一緒に説明しているのは、震源の位置を伝えているのです。

つまり ひとことで

震源は地震が始まった地中の実際の場所で、震央は震源の真上にある地表の地点です。

作成 2025-09-28 更新 2026-10-13 検証 2026-10-13