定義
すでに発表した経済指標や統計の数字を、より完全な最新データと変化した現実に合わせて改めて整えることです。速く状況をつかむために先に出した暫定値を、あとから集まった行政データで補正します。また、数年ごとに経済構造の変化を反映して、計算の基準そのものを新しくする作業も指します。
なぜ、すでに発表した統計の数字をあとで直すの?
引っ越した先の町の地図を描くとき、最初は目立つ大きな建物だけをざっとスケッチしておいて、あとから路地の隅々まで確かめて地図を仕上げる様子に似ています。
政府や中央銀行が発表する経済成長率や物価指数のような統計は、タイミングが命です。経済危機や急な景気の変動が来たとき、何年もかけてすべてのレシートが集まるまでのんびり待つわけにはいきません。そこで統計をつくる機関(経済成長率は韓国銀行、物価指数は韓国の国家データ処)は、まず手に入る資料を集めて、すばやく「速報値」や「暫定値(仮の数字)」を発表します。
その後、数か月から1年ほどして、韓国国税庁の税務データや企業の決算報告書のような、細かくて完全な行政記録がそろったら、先に出した数字を現実に合わせて計算し直します。統計の改定は、数字が間違っていたのでこっそり直すものではなく、スピードと正確さの両方を守るための体系的な手続きなのです。
買い物かごを入れ替える基準年の改定
クローゼットに10年前に流行した服ばかりだったら、今の季節に着る服がないのと同じで、統計を計算する基準も、年月がたてば古くなります。
物価指数をはかるときに使う「仮想の買い物かご」を思い浮かべてみましょう。昔はポケベルやビデオテープのレンタル料が人々の主な消費品目でしたが、今は動画配信サービスの利用料やスマートフォンの料金がその座を占めています。古い買い物かごのまま物価をはかると、国民が実際に感じる暮らし向きと統計のあいだに大きなずれが生まれます。
そこで国の統計機関は、ふつう5年ごとに統計の基準となる年を変える「基準年の改定」を行います。新しい産業や消費の習慣を買い物かごに入れ、なくなった品目を外して、時代の本当の姿を映す鏡をあらためて磨き直すわけです。
もう少し正確に言うと:操作でも失敗でもありません
統計の改定のニュースが流れると、「政府が経済の成績を水増しするために数字を操作したのではないか」と疑いの目で見られることもあります。過去の統計の数字が少しずつ変わるので、自然に生まれる誤解です。
でも、統計の改定は統計をゆがめるものではなく、むしろ統計の信頼性を守るいちばん透明な方法です。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)のような国際機関も、加盟国に対して、改定の日程と原則をあらかじめ公開し、定期的に改定するよう勧めています。
もう少し正確に言うと、統計の改定が行われると、過去数年分の経済成長率や国の債務の比率のような指標が、まとめて少しだけ調整されます。分母となる国全体の経済規模(国内総生産)が、新しい産業を反映して大きくなったり小さくなったりするからです。これは隠れた真実を覆い隠そうとする試みではなく、現実と統計のずれを減らす科学的な事後補正なのです。
よくある誤解
統計の改定は、政府が計算をミスしたか、政治的な目的のために数字を操作することだ。
最初は素早い意思決定のために一部の標本で暫定値を出し、あとから集まった全数データで精密に整える、国際標準の正常な手続きです。
一度発表された政府の公式統計は、永遠に変わらないのが正常だ。
新しい産業が生まれ、国民の消費の習慣が変わるので、現実を正しく反映するには、定期的に基準となる品目や比重を新しくする必要があります。
日常で出会う場面
韓国の国家データ処(旧・統計庁)が消費者物価指数を5年ごとに改定し、消費が減った品目を外して、新しく広く使われるようになった品目を入れる作業
韓国銀行が第1四半期の経済成長率を暫定発表したあと、1年後に企業の実際の法人税の納付や会計決算の記録をまとめて、確定値に修正する過程
つまり ひとことで
統計の改定は、素早い判断のために先に出した暫定値を完全なデータで整え、5年ごとに時代の変化を買い物かごに反映して、現実とのずれを減らす正常な補正作業です。