定義
ラーメン屋で醤油ラーメンと味噌ラーメンのどちらかを選ばなければならないときのように、私たちは毎日何かを選んで暮らしています。ある一つを選ぶことで、やむなくあきらめる他の選択肢のうち、いちばん価値の大きいものを機会費用と呼びます。お金だけでなく、注ぎ込んだ時間や労力のような目に見えない大切な価値も、すべてこの費用に含まれます。
「タダのランチ」はなぜこの世にないのでしょう?
友達から映画の無料チケットをもらって、映画館に行ったと想像してみてください。お金を一円も払っていないので、映画を0円で見たように感じます。でも、経済学の目で見ると、決してタダではありません。映画を見ていた2時間、家でのんびり休むこともできましたし、時給1万ウォン(約1,000円)のアルバイトをして2万ウォン(約2,000円)を稼ぐこともできたからです。
このように、何かをするときは、財布から出ていくお金だけでなく、あきらめた時間の価値も一緒に計算する必要があります。目に見える値札の裏には、その時間にできた別のことの価値が、いつも隠れています。
この世のすべての資源と時間には限りがあります。だから、何かを手にするには、必ず別の何かを手放さなければなりません。「無料のランチはない」という有名な格言も、まさにこの機会費用の考え方を表した言葉です。
いくつもあきらめたときの計算のしかた
もし、週末の午後に勉強しようと決めたら、どうでしょう? その時間に、友達とゲームをすることもできましたし、昼寝をすることも、映画を見ることもできました。このように、あきらめた選択肢がいくつもあるとき、機会費用はそのすべてを足した値になるのでしょうか?
答えは「いいえ」です。体は一つしかないので、勉強をしなかったとしても、ゲームも昼寝も映画も、全部いっぺんに楽しむことはできなかったはずです。そこで、あきらめたいくつかの選択肢のうち、いちばん価値のあるたった一つだけを機会費用として計算します。
ゲームの楽しさが5万ウォン分の価値、昼寝が3万ウォン分、映画が2万ウォン分だったとすると、自分の機会費用はいちばん大きい5万ウォンになります。あきらめたものの合計ではなく、逃して最も惜しい、いちばん上位の選択肢が基準になるのです。
もう少し正確に言うと:目に見えるお金と、隠れたお金
もう少し正確に言うと、機会費用は、目に見える費用と目に見えない費用を合わせて求めます。経済学では、財布から実際に出ていくお金を「明示的費用」と呼び、目には見えないけれどあきらめた利益を「暗黙的費用」と呼びます。
たとえば、1年間の学費1,000万ウォン(約110万円)を払って大学に通う場面を考えてみましょう。このとき、本当の大学進学のコストは、授業料の1,000万ウォンだけではありません。もし大学に行かず、会社に就職して1年間働いていたら稼げたはずの年収2,500万ウォン(約270万円)も、一緒にあきらめたことになります。
結局、1年間大学に通うためにかかった本当の機会費用は、授業料1,000万ウォンと、働いて稼げたはずの2,500万ウォンを足した3,500万ウォン(約380万円)になります。合理的な選択をするには、このように財布の外に出ていかなかった隠れた費用までしっかり考える必要があります。
よくある誤解
機会費用とは、選択のために実際に支払ったお金だけを指す。
実際に払ったお金(明示的費用)だけでなく、その選択のためにあきらめることになった他の機会の価値(暗黙的費用)まで、すべて含まれます。
あきらめた代わりの選択肢が3つなら、機会費用はその3つの価値をすべて足した値になる。
同時に複数の選択をすることはできないので、あきらめた選択肢のうち「最も価値が高かったたった一つの選択肢」だけを機会費用として計算します。
日常で出会う場面
起業するとき、お店の賃料だけでなく、勤めていた会社を辞めてあきらめた給料も機会費用です。
週末に寝て過ごすことを選んだときの機会費用は、その時間に運動をしたり友達に会ったりして得られたはずの楽しさです。
家の引き出しに現金を入れておくときの機会費用は、そのお金を預金に入れていたら受け取れたはずの利息です。
つまり ひとことで
何かを選ぶときに、あきらめることになる複数の道のうち、いちばん惜しい最高の価値を機会費用といいます。